大きな深呼吸で、瑞々しい空気を胸いっぱいに吸い込みました。目を閉じても、開いても、新緑の樹々が放つ精気を感じられます。
滝から流れてくる細かい霧が、首筋をひんやりと冷やしてくれました。
「岩井滝」は、岡山と鳥取の県境の人形峠に近い三国山の山中にあります。滝の上部に岩盤が突き出ているため、裏側からも眺めることができる「裏見の滝」として人気のある観光名所です。ここから１００メートル下ったところに、清水「岩井」があります。日本名水百選に指定されている程のおいしい水が岩肌から湧き出しています。この清水は、別名「子宝の水」とも呼ばれており、なかなか子供に恵まれなかった人が、２１日間この水を飲みつづけて子供を授かったという伝説が残っています。
光、水、緑が織りなす自然を目の前にして、伝説が存在するのもうなずける気がしました。