辛夷
2012年4月25日
難解語辞書に出てきそうな名前ですが「コブシ」です。奥津地区にある蕎麦屋さんの庭に咲いていました。
別名を「田打ち桜」というそうですが、コブシの花が咲けばいよいよ田んぼの仕事が始まる、という農耕を中心とした時代の響きがあります。
昔の人たちは、山の木々の開花や、残雪の形などを目安に、田を耕したり、種を播いたりする時期を決めていたのですね。今年のように、春先の気温がなかなか上がらず、花の季節が遅れてやってくる年は、農作業を遅らせた方が良いという知恵が詰まっています。
コブシの花は、年によって多少のずれはありますが、毎年同じ頃に花を咲かせます。日の長さを知ることができるからだそうですが、いったいどこで感じているのでしょうか。
これからあっという間に初夏へと季節は変わっていきますが、短い春をもう少し感じていたいという気分です。惜春。
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