スズメバチ
2011年10月3日
秋風が吹き始めるころになると、養蜂場の巣箱には、招かれざる客が大勢でやってきます。
ミツバチの最大の天敵「オオスズメバチ」です。日本には9種類のスズメバチが生息していますが、巣箱の中にまで入り込んで、ミツバチの幼虫や蛹を根こそぎ掠奪していくのは、このオオスズメバチだけです。
日本に昔から住んでいるニホンミツバチは、長い歴史の中で、スズメバチが巣に近づくと、大群で団子状に包み込み、筋肉を動かして48度という熱を発生し、蒸し殺すという技を獲得しました。
しかし、私たちがはちみつやローヤルゼリーを生産するために飼っているのは、明治の初期に入ってきたヨーロッパ原産のセイヨウミツバチです。ヨーロッパにもスズメバチ(Vespa)の仲間はいますが、いずれも小型の蜂のため、ニホンミツバチのような知恵は持っていません。
晩秋に向かって、冬を越すための新しい女王蜂を、何百頭も育てているオオスズメバチにとって、ミツバチの巣箱の中は、良質のタンパク源の宝庫に見えるのでしょう。
自然界の掟とはいえ、私たちはミツバチの味方なので、スズメバチを叩き落としたり、トラップを作ったりと、秋のお彼岸のころは大忙しとなっています。
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