空蝉(うつせみ)
2014年7月23日
梅雨明けの暑さを呼び寄せるかのように、激しいセミの鳴き声が鏡野に響き渡ります。
近所の公園で、木の葉にがしっとしがみついた空蝉(蝉の抜け殻)を見つけました。
昔から詩歌に詠み継がれてきた空蝉という言葉は、この世やこの世の人々を意味するのだそうです。
空っぽで儚い姿にこの世を重ねたのでしょう。
飴色の抜け殻を、子供時代には宝石のように大事にしていました。
今ではその虚ろな殻の中に切なさや儚さがつまっているように見えます。それは、私が少し大人になったせいなのでしょう。
太陽の光が差し込み、透き通った飴色がきらきら輝き始めました。
子供の頃に見た、宝石のような輝きでした。
空蝉は朝日に溶けゆく飴細工 琴典
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