ミツバチの童話と絵本のコンクール

ぶんぶんとのさま

受賞はやし まり 様(愛知県)

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次の日までに城に花が植えられました。
ぶんぶん
「ミツバチども はやく いたせー。」
ぷんぷん

ぶんぶん
「まだかー。」
ぷんぷん

ぷんぷんとのさまは
ぷんぷん ぷんぷん
言いながら
ミツバチのあとを ついてまわり

ミツバチは
ぶんぶん ぶんぶん
花からすへ
すから花へ
いそがしそうに はたらきます。

ぷんぷん
ぶんぶん
ぷんぷん
ぶんぶん

城中 ぷんとぶんで
いっぱいに なりました。

待ちきれなくなったぷんぷんとのさまが
ハチのすを のぞきこみました。
「どれどれ。おっ。あんなところに はちみつが あるではないか。」
あーっ とのさま おそかった。
手をのばしたぷんぷんとのさまを 1ぴきのハチがちくり。
「いたい。いたい。いたいよ。」

1ぴきのミツバチが 言いました。
「とのさま わたしたちミツバチにとっても 
生きていくために はちみつは たいせつなものなのです。
それをぜんぶ持っていかれては わたしたちも こまるのです。」

「おまえたちが 生きていけなくなったら 
わしも はちみつが 食べられなくなる ということじゃな。」
ぷんぷんとのさまが なきながら言いました。

「そういうことになりますね。」
ミツバチはしずかに 言いました。

ぶんぶん
ぶんぶん
ミツバチたちは
きょうも たくさんの花をまわり
なんども とのさまの前を通って
すに みつを はこびます。
ぶんぶん
ぶんぶん
そして また なんども なんども
とのさまの前を通って
花をさがしに でかけます。

「こんなに いっしょうけんめいあつめた はちみつを
わしがひとりじめしては いけないのう。」
ぶんぶん
ぶんぶん
とのさまは なんども つぶやきました。

次の日から とのさまは 
ぶんぶん楽しそうに うたいながら
せっせと花を植え 
せっせと花に水をやり
そして ときどき ちょっとだけ 
はちみつを わけてもらいました。

そのたいせつなはちみつは 赤いリボンでかざられ
父上のまくらもとに とどけられました。

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