ミツバチの童話と絵本のコンクール

たんぽぽの原のふしぎ屋さん

受賞西森 千穂 様(滋賀県)

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ところが、ある日とんでもないお客様がきました。
「風のうわさできてみたけどけっこういけるじゃない。あっ、おまえはっ!」
お客様はルナをお城からついほうした王女様だったのです。
「おまえはルナじゃないの。とっくにのたれ死にしてたと思ってたのに。なぜこんな所にいるのっ!」
「あの…王女さま…これは、いろんなわけが…」
「つべこべゆうんじゃないっ!」
王女様がルナにステッキをむけました。
このステッキはもしもの時に武器になるステッキなのです。
ルンルはこわくてふるえながらきばをむけました。
「ルナをいじめたらお客様でもゆるさないぞ。」

「ガォー」
ルンルは大きくほえたつもりでしたけどこわくて声がちいさくなってしまいました。
「それでおどしのつもり?そんなのぜんぜんへいきよ。」
ルンルはプスッと手をさされてしまいました。
「やめて、王女様!」
ルンルのまえにたったルナもいろんなところをさされてけがだらけです。
するとその時、
ティルタリッタルラルリサン
きいたことのない音がとけいからとびだしてきました。
「あっこの音は!」

ルンルは大きく息をすいこみました。
そして…
グルルルル ガオオー
とてつもなく大きな声をだしました。
太陽のまほうです。ルンルのお母さんがのこした太陽のまほうがルンルの声を
大きくしたのです。
耳をふさぎわすれた王女様はきぜつしてしまいました。

「王女様…気ぜつしちゃった。だいじょうぶかな?」
ルナがしんぱいそうにみおろしました。
するとルンルがひとつのビンをもってきました。
「コレ、お月さまからもらった薬。なんでもきくしそれにやさしくなれるンだ!」
「なんでもきく…やさしくなれる…お月様のくすり…」
ルナは王女様にひとつぶくすりをのませました。

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