ミツバチの童話と絵本のコンクール

しましまカンパニー

受賞絵:竹鼻 恵子 様(長野県) 文:鍋島 利恵子 様(長野県)

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「ワアーオー、ワアーオー、ワアーオー」
トリたちは、あわてふためいて逃げていきました。
トラさんの頭に、トリの羽と葉っぱがたくさん落ちてきました。
しばらくは、ミツバチさんたちの羽音が鳴り止みませんでしたが、
だんだん小さくなって、やがて森は静まり返りました。

一匹のミツバチさんがトラさんの鼻先に飛んできていいました。
「ただいま社長があいさつにまいります。少々お待ち下さい」
トラさんがかしこまって待っていると、まもなく、
ひときわ大きいミツバチさんが出て来ました。
「先ほどは危ないところを、ありがとうございました。
私は、このしましまハチミツカンパニーの社長の女王バチです」
女王バチがとてもりっぱで、美しいので、トラさんはどきどきしてしまいました。
「い、いえ、どういたしまして。あの、え?しましまハチミツカンパニーですって?」

「はい。ウチの会社は、ハチミツを作って、お客様に届ける仕事をしております」
「そうでしたか。それが、今朝、ウサギさんから、
ハチミツを早く届けて欲しいという電話がぼくのところにきました。
たぶん会社をまちがえたんですね」
女王バチは、ちょっと顔をくもらせました。
「近ごろこの森は、トリたちに目をつけられてしまって、
さっきのようなことがよくあり、配達がおくれて困っておりますの」

トラさんは、ドンと胸を叩いていいました。
「わかりました。それなら、ぼくがハチミツの配達をお手伝いしましょう。
そのために来たのですもの」
「本当ですか。ありがとうございます。トラさん、もしよろしかったら、
これからもウチの会社で働いて下さいませんか?
あの、ワーオーもときどきお願いしたいので・・・」
女王バチのきれいな瞳に見つめられて、トラさんはデレデレになりました。
「はい・・・あ、でも、じつはぼく、しましまパンツカンパニーという
会社の社長なんです。売り物は、カミナリさまのしましまパンツだけですがね」
女王バチは、楽しそうに笑いました。
「まあ、オホホホ・・・しましまだなんて、ぐうぜんですわね。
それなら、私たちしましま同志、仲間になれないでしょうか」
「ワーオー、それはいいですねえ」
トラさんと女王バチは、二つの会社が協力し合うことを約束しました。

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