ミツバチの童話と絵本のコンクール

しましまカンパニー

受賞絵:竹鼻 恵子 様(長野県) 文:鍋島 利恵子 様(長野県)

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外に出て、トラさんは大きく深呼吸しました。
それから、手と足をクニクニほぐし、ダダッと走り出しました。
朝の空気は、涌き出たばかりのお水のように
冷たくて、おいしくて、いい気持ちです。
まっすぐのびている桜並木を、トラさんは、
「ワーオー、ワーオー」とほえながら、スピードを上げてどんどん 走りました。
桜がギュンギュン後ろへ流れていきます。
遠くの丘に、早起きのウシさんたちが散歩しているのが見えてきました。
「オット、忘れるところだった。ハチミツ、ハチミツっと」

トラさんは、丘を駆け上がっていきました。
ところが、トラさん、
「オーイ」というつもりが、 うっかり「ワーオー」とほえてしまったので、
ウシさんたちはびっくりして逃げ出しました。
トラさんは、いっしょうけんめいに追いかけて、
やっと一頭のウシさんに追いつきました。

「ハー、ハー、ガルウ、ハー、ハー、 ガルウ」
「ハー、ハー、モウ、 ハー、ハー、モウ」
「あのう、ちょっとおききしますが、この辺にミツバチさんが・・・」
「なに?なんなの?あたしは大きいから、
ぜんぶ食べたらぜったいおなかこわすわよ」
その時、トラさんの目の前を一匹のミツバチさんが通りすぎました。
「あ、ミツバチさんだ」
トラさんは、ミツバチさんを追いかけて、森の方へ走っていってしまいました。
「なんなのよ、モウー」 ウシさんが、プンプンしてシッポを2回振るあいだに、
もうトラさんは見えなくなりました。

トラさんは、ミツバチさんを追って、森の中に入っていきました。
「待ってよ。ミツバチさん、待って」
トラさんは、その小さなミツバチさんを見失わないように必死で追いかけました。
しばらく行くと、たくさんのミツバチさんたちが、 ブーワン、ブーワンとすさまじい
羽音をひびかせて、トリたちと戦っているところに出くわしました。
さっきのミツバチさんも、応援に加わりました。
トリたちは、しつこく何度も攻撃してきます。 ミツバチさんたちは大ピンチ。
「わあ、ミツバチさんたちが食べられちゃう。ど、どうしよう」

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