ミツバチの童話と絵本のコンクール

と・も・だ・ち

受賞斉藤 好和 様(東京都)

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ミツバチのビビは生まれて今日が二十日目
新米の働きバチです。
これまでは巣の中での仕事をしていましたが
いよいよ外でミツや花粉を
集める仕事をすることになりました。
まずは巣のまわりで飛行訓練
ここで巣の場所をよくおぼえておきます。
さぁ、花を探しに出発です。
まだ風は肌寒いですが
かすかに春の香りもしています。
ビビはワクワクしながら、
まわりをキョロキョロ。
よそ見はあぶないよ、
ホラ、その先にはクモの巣が!

外の世界は危険がいっぱい。
おねえさんミツバチがおしえてくれたはず。
ヒキガエル、トンボ、カマキリ、スズメバチ
そしてクモの巣。
ビビは、はじめて見る景色やにおいに
夢中になってしまい恐ろしいクモの巣に
かかってしまいました。
白い糸はからみつき、もがけばもがくほど
身動きがとれなくなってしまいます。
下の方から何やら白くておおきな生き物が
見上げてハアハア言っています。
あれがクモなのか、
ビビはふるえあがりました。
ついに、そいつがとびかかってきました。
「うわーたべられる!」
ビビは気をうしないました。

「やあ、きがついたね。」
目をさましかけたビビの近くに
白くて大きな顔がありました。
「うぁー!」ビビは
またきぜつしそうになりました。
「そんなにおどろくなよ。ぼくは
犬のタロ。君を食べたりしないよ。
君をクモの巣から助けてあげたんだよ。」
ビビはまだドキドキしていますが、
タロが敵ではなさそうなので
少し安心しました。
「ワ、ワタシはミツバチビビ、
助けてくれてありがとう。」
その時から、ビビとタロは
友だちになりました。

今日は菜の花畑へきています。
ここはとってもよいミツと花粉があるので
少し遠いのですが
毎年来るところだそうです。
「ねえ、あの犬、あなたの知り合いなの?
いつもあなたの行くところにきていない?」
なかまのミツバチがビビにたずねました。
「そうなの、とても仲のよいお友だち。
クモの巣につかまった時助けてくれたの。」
ふーん、犬と友だちなんて
あなた変わっているわね。」
仲間のミツバチは
隣の花へ飛んで行きました。

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