ミツバチの童話と絵本のコンクール

さくらんぼの旅

受賞設楽 友香 様(神奈川県)

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『さくらんぼの旅』

はづきの 家は、山形県に あって さくらんぼのう家です。
ある日、はづきは、
(さくらんぼが たべたいな。)
と思いました。
はづきは 家を 出て、さくらんぼ畑に 行きました。
さくらんぼが 一つだけ じゅくしていました。
はづきが もぎとって 食べようとすると、
一ぴきの みつばちが とんできて いいました。
「はづきちゃん おねがいだから、その さくらんぼを
食べないで 愛媛の おい川みかちゃんに とどけてください。」
はづきは、
「えっ?わかりました。」
といって 家に もどりました。
(みかちゃんって どこにいるんだろう。えひめって とおいのかな。)
と はづきは 思いました。
はづきは 引きだしから ふうとうを とり出して
ボールペンで、おいかわみかさまへ と
子どもらしい ひらがなばかりの 字で 書いたのです。
そして さくらんぼは、ふうとうの 中に 入れられて
はづきは ふうとうを ポストの 中に 入れました。

ポストの 中は まっくらで さくらんぼは
気のせいか ごそごそっという
音が 聞こえました。そのとき、
「チューッ。」
という 鳴き声が しました。ねずみです。
(た、たいへん!)
さくらんぼは 悲鳴を あげそうになりました。
(ゆ、ゆうびんやさあん!早く 来て!)
一ぴきの 子ねずみが、さくらんぼが 入っている
ふうとうの はしっこを かじって 開けてしまいました。
「あっ、さくらんぼでチュー!」
と子ねずみは いいました。ほかの 子ねずみたちも、
「ほんとでチュー!」
「うまちょうだなあ!」
「一口かじろか、チュー!」
「かじると とうちゃんに ちかられるど!」
と さわぎだしました。
「これは ごちそうだな。さあ 家まで しずかに はこべ。
かあちゃんに 見せて よろこばせてから、仲良く じゅんばんに かじるんだ。」
とうちゃんねずみが いいました。
「せーの!」みんなが いいました。
「よいしょこチュー!」
出口に とびついた とうちゃんねずみの しっぽに つかまって 子ねずみたちは じゅんばんに 外に 出ていきました。
さいごの 一ぴきが、ポストの 口から 出て、
「早く 食べたいなあ。」といって さくらんぼに ほおずりを したとき、
さくらんぼから 手を はなしてしまいました。

「あっ さくらんぼが!」
「とうちゃん おっこっていくよう!」
と、子ねずみは いいました。
「よし、まかせろ!」
といって とうちゃんねずみが
走って おいかけましたが、
さくらんぼは どんどん おっこちていって
とうとう おいつけませんでした。

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