やれやれ、やっと出てきたムムンさん、あれれ、今度は木に登りはじめましたよ。

おやまあ、そのままミツバチの巣の中に入っていってしまいました。

巣の中ではミツバチたちが忙しそうに働いていました。
そのなかをムムンさんズンズン前に…

ドシーン
「あーれー」

大変！ムムンさん、ミツバチさんとぶつかって気を失ってしまいました。

気がつくと、ムムンさんは　赤ちゃんバチの部屋にねかされていました。
「ここはどこだろう。私は何をしていたんだっけ」
そうつぶやいて、ムムンさんはハッと気がつきました。
頭の中が空っぽなのです。
大切な研究のことがちっとも思い出せないのです。
どうやらぶつかったショックで　すっかり忘れてしまったようでした。

「どうしよう、忘れちゃった、全部忘れちゃったよ」
ムムンさんは叫びました。
「あら目が覚めてよかったわ」
とお母さんバチがやってきました。
「どうしたらいいんだ。大切な研究のことを全部忘れてしまったんです」
とムムンさんが言いました。
お母さんバチは
「それは困ったわね。でも大丈夫。本当に大切なことだったら　きっとまた思い出せるわ。もし思い出せなかったら　それはどうでもいいことだったのよ」
と言って、ムムンさんにお茶を持ってきてくれました。