ミツバチの童話と絵本のコンクール

けんたのなつやすみ

受賞よこみち けいこ 様(広島県)

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「けんた、どうかしたのか?」
「うん…。とうさんと むしとりいくってやくそくしてたのにさ、いけそうにないんだ」
「どうしてだい?」
「さいきん げんき ないんだ。すごく つかれてるのかなあ。きのうもおふろで ねちゃってた」
「そりゃあ、いかんなあ。よし!わしの“げんきのひみつ”をわけてやろう」
「ええ!げんきのひみつ?」

「けんた、そこで まってなさい」
そういうと、としぞうは すばこをぽんぽんと ぼうで たたいた。
しばらくすると、すばこのはちが いなくなった。
「なにするの?」
としぞうは、しんちょうに すばこをあけてなかから ふしぎなものをとりだした。
「これは“すばん”といってな、みつばちが つくった すなんじゃ」
「これが、はちのす!?」

としぞうは すばんから すのぶぶんを きりとると ざるにいれて ぎゅっと しぼった。
「こうして、ざるでこして、ひとばんおいておくと はちみつがとれるんじゃよ」
「へええ!!」
「すこし なめてみるかい?」
「うん!」

「うわあ、おいしい、おいしいよ!!」
いつも たべているはちみつとぜんぜん ちがうあじがしてけんたは びっくりした。
「ふふふ、そうじゃろ。みつばちがつくった たからじゃからな。わしの げんきの ひみつじゃ」
「とうさんにも あげていい?」
「もちろんじゃ。げんきがでるぞ!」
「うん!」

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