ミツバチの童話と絵本のコンクール

女王さまのはちみつ

受賞うめだ けえこ 様(埼玉県)

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くっくっくっ、と、わらうと、はちマイスターは、いいました。
「あなた、このまちはじめてなのですね。
はじめてのかたには、じょおうさまから、
ごあいさつのおくりものがありますよ。ほら。」
「えっ、このまちにじょおうさまがいるの?
すごいなあ。ほんとに、もらっていいの?」
「ええ。みなさま、とてもおよろこびですよ。」
ぼくは、おおきなガラスびんにはいった、みてるとどうしてもたべたくなる、
おいしそうなはちみつをもらいました。
「どうも、ありがとうございます!」
「イッパイ、めしあがれ...」

「ただいま。」
へんじがありません。
「そうだ。まちやくばにいくっていってた。」
ぐう〜。
「おなかすいたな。はちみつの、あじみしてみよう。」
にもつから、パンを1まいひっぱりだして、たっぷりぬって、ぱく。
「おいしいー!さすがじょおうさま。」
もう1まいにぬってたべながら、
あとはパパたちとたべようとおもいながら、
びんのラベルをみると、なにかかいてあります。

ミツバチガ イッショウカケテ アツメルハチミツノリョウ=スプーン1パイブン。
シタガッテ、アナタモ イッショウニ コノジョオウノ ハチミツハ 
スプーン1パイブンヨリ オオクタベテハナラナイ。サモナイト、ジョオウガ 
「ハチミツノマホウ」 ヲカケル。

「ハチミツノマホウ?なんだよそれ。ひどいや。
だったら、こんなにでかいの、くれるなよー!」
びっくりして、ぼくがさけぶと、うしろでかたん!と、おとがしました。
みると、おくのテーブルのうえに2ほん、
じょおうさまのはちみつがおいてあります!
「パパ、ママ、どのくらいたべたの?」
ふたりは、ぼくをみるとにこっと、しました。
「い〜っぱいたべたよ!いっぱいね。」

ラベルのつづき

 ヨクバッタブンダケ、ホカノイキモノノタメニ、 
 カエスコトニナル。

みつばちょうのひとたちは、みんな「かえすしごと」 をよろこんでやります。
きょうは、はげやまになえぎをうえます。
もちろん、ぼくも、ママも、パパも。
「おれは、なんとひとびんたべちゃったぞ」
「わたしは、スプーンいっぱいだけ、
ばあさんにのこした!ぶつだんから、ばあさんのこえがしたぞ。
こりゃあうまいわ!もっとくれろ!ってな。ははは。」
「やおやのおっちゃん、うそばっかり。ゆーれいなんて、いないんだぞ。」
「ゆうれいはしらんが、じょおうのはちみつよりうまいもん、このよにないよ。」
「ほんとほんと。たのしい 『おしごと』つき!だし。はっはっはっはー!」
こんなかんじです。これがじょおうさまの、はちみつのまほうなのかも。

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