ミツバチの童話と絵本のコンクール

わたしがいないと

受賞石井 真心 様(北海道)

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『わたしがいないと』

毎日毎日、みつばちたちは、
はたらくはたらく。 おいしいみつをもとめて。
「また来た!」
一匹のみつばちがさけびました。

そう、やって来たのは、わたしたちの
集めたみつを うばいにくるおじさんです。
おじさんはあっというまにわたしたちの
みつをうばって行きました。

「やってられない!どうしてわたしたちが
集めたみつを、もって行かれなければならないの?」
ある日、みつばちのミミはさけびました。
それに気づいた仲間のみつばちがよってきました。
「ミミ、たいへんだけれど、
女王さまにさしあげないとならないわ。」
「そうだけれど…。 …私、みつなんかはこばない!!」
ミミはふくれて、飛び出しました。

ミミはお花ばたけにやってきました。
ちょっと、タンポポの上でひとやすみをしていると、
女の子と、その母親らしい人がいました。
「キャー!!お母さん、はちだよ!!」
あまりの大声にミミはとび上がりました。
「まあ、みつばちじゃないの。」
「でもはちでしょう?」
「何もしなければさしたりしません。
それより、 みつばちさんは、わたしたちも食べるはちみつを
集めてるのよ。お礼をしないとね。」
「うん。ありがとう。みつばちさん。」
ミミはそんな女の子をじっと見つめてから、飛び去りました。

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