ミツバチの童話と絵本のコンクール

お日さま堂のれんげゼリー

受賞絵:田口 香奈子 様(茨城県) 文:宇内 悦子 様(千葉県)

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「ごめんください」
小さい声で店に入ってきたのは、うさぎさんでした。
「きのうから、ねむれません」
風邪をひいたらしく、からだはふるえ、
かちかち歯がなっています。
「れ・れんげ、ゼ・ゼリリーく・ください」

「ごめんよ。れんげゼリーはもう、うりきれたよ。
これでがまんしておくれ」
おじいさんは、びんの底に残っていたはちみつを、
スプーンであつめて、うさぎさんになめさせてやりました。
「さあ、これでいい。
はやく家にかえって、ぐっすりおやすみ。
あしたのあさは、きっと、げんきだよ」

ところが、風邪をひいてねむれないのは、
うさぎさんだけではありませんでした。
きつねさんも、野ねずみさんもやってきました。
いのししさんもきました。しかさんはよろよろ、
「おなかがすいて、もうー」
と、ばったりたおれそうです。
「しっかり、しっかりしておくれ!」

おじいさんは、自分のために残しておいたはちみつを、
みんなに少しずつ、わけてやりました。

こうして、はちみつはびんの底のすみまで、
きれいになくなってしまいました。

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