健康食品、化粧品、はちみつ・自然食品の山田養蜂場。「ひとりの人の健康」のために大切な自然からの贈り物をお届けいたします。
学校へ向かう途中、たくさんの荷物を抱えた腰の曲がったおばあさんに出会った。かなり重そうだ。これはプロ・ポリスマンの出番だぞ。幸い姉ちゃんはむこうを向いている。今だ!ボクはポケットからハニーキャンディを取り出すと、一粒口に入れた。
へーんしん!とぉー!!さすらいのヒーロー、プロ・ポリスマン!ただ今参上!!
おばあさん、このプロ・ポリスマンが荷物を持ってさしあげましょう。どこまで運べばいいのですか?
「まぁまぁありがとうぼうや。でもね、家はもうすぐそこだから、大丈夫だよ。」
まあ遠慮しないで、ボクにまかせなさい。
「タカシ何やってんの!?遅刻するよー!先に行くからね!」
ダメだ、姉ちゃんは完全に敵に操られている。ボクだけでも、正義をつらぬかなければ。
さぁおばあさん、まいりましょう。おや?もう着いた。
「ボク、本当にありがとう。よかったら名前を教えておくれ。」
いいえおばあさん、名乗る程の者ではございません。ですが、さすらいのヒーロー、プロ・ポリスマンとだけ覚えておいて下さい。礼には及びません。ボクはあたりまえのことをしただけです。では、さらば!!
さっそうと去っていくボクの後ろ姿を、おばあさんは熱いまなざしで見送っていた。ふっおばあさん、ボクに恋しちゃいけないよ。ボクは、その愛にこたえてあげることができないからね・・・。
学校へは、なんとかギリギリセーフで間に合った。ボクの通う吉本小学校の先生は、結構厳しい。ボクはなんとか間に合ったが、同じクラスのタカムラ君が遅刻してしまったようだ。担任の浜田先生がやって来た。
「コラー!タカムラ!お前はまた遅刻か!」
浜田先生の話は長い。くどくどとお説教が始まった。これはなんとかしなければ。ボクは、気付かれないようにポケットからハニーキャンディを取り出すと、一粒口に入れた。
へーんしん!とぉーっ!!さすらいのヒーロー、プロ・ポリスマン、ただ今参上!!
ボクは、算数の教科書を持って、浜田先生に近づいた。
先生!ここが分かりません。教えて下さい。
「えっ!?いやちょっと待て、今先生はタカムラに話が・・・。」
先生、早く教えて下さい。ボクは先生を質問攻めにした。今だ、タカムラ君、逃げるんだ!タカムラ君は、ありがとうとウィンクすると、走って逃げて行った。ボクもそそくさと質問を終えると、その場からさりげなく立ち去ったのだった。ふははははは、どうだ!これでまたひとつ、世界の平和を守ったぞ。
体育の時間、今日はマラソンだ。マラソンなんか、プロ・ポリスマンに変身すればあっという間だが、それではズルしたことになってしまうから、ボクは地道に走ることにした。これまた同じクラスの石川君が、後ろのほうでフゥフゥいってる。いつもマイペースの石川君だが、運動の方もかなりマイペース、苦手らしい。黙って見ていられなくなったボクは、仕方なくハニーキャンディの力を借りた。
へーんしん!とおーっ!さすらいのヒーロー、プロ・ポリスマン!ただ今参上!!
さあ石川君、頑張るんだ!ボクは、石川君の背中を押したり、手をひいたりして、最後まで一緒に走った。おかげで、石川君はなんとか最後まで走りぬいたのだ。あんまり息がきれてお礼も言えないらしい。
ふははははは、これでまたひとつ、世界は救われたのだ。
「ふう、ふう、できればボク、もうちょっとゆっくり、自分のペースで走りたかったんだけどな・・・。」
なんて、あとから石川君は言ってたけど、そんなのは照れ隠しさ。もうちょっと素直になりたまえ。
給食の時間、今度はユザワ君が、お腹が痛いと騒ぎ始めた。どうやら原因は食べ過ぎらしい。彼は、給食のおかずを全部おかわりして食べたようだ。さあ出番だ。ハニーキャンディよ。頼むぞ、ボクに力を貸してくれ。
へーんしん!とおーっ!さすらいのヒーロー、プロ・ポリスマン!ただ今参上!!
ボクはユザワ君をおんぶすると、保健室まで直行した。安心しろユザワ君。君が食べられなかったデザートのプリンは、ボクが責任をもって食べてあげるよ。
ふははははは、これでまた、世界の平和は保たれたのだ。
だが、さすがのボクも、一日に何度も変身すると疲れてくる。少し休まなくては・・・。だがしかし、事件は待ってはくれない。クラス委員の清水君が、話を聞かないクラスの皆をまとめようと必死になってる。清水君、そんなんじゃダメだ。手ぬるすぎる。えーい、ここはひとつ、このボクが!!ボクは、誰にも見られないように、ハニーキャンディを一粒口に入れた。
へーんしん!とおーっ!さすらいのヒーロー、プロ・ポリスマン!ただ今参上!!
聞け!皆!しっかりするんだ!スキを見せてはいけない!敵につけこまれるぞ!
皆は、あっけにとられて身動きひとつできなくなっていた。しまった、遅かったか。もうすでに敵の手におちたのでは・・・。その時、クラスの誰かが言った。
「おい小暮〜、何アホなことやってんだぁ?」
何を言うか!ボクは小暮なんかじゃない、プロ・ポリスマンだ!こいつはいかん。なんとかして皆の目をさまさなければ!ボクは、クラスの皆、一人一人に気合を入れた。
はっ!はっ!はっ!はっ!はぁーっ!!どうだ!?初めは目が点になっていた皆だが、最後には正気に戻ったらしく、大爆笑となった。
ふははははは、見たまえ清水君。ボクのおかげでクラスの心はひとつになったぞ。何故か清水君は、ますます困ったような顔になっていたが、まあそれは気のせいだろう。君の目的が何だったのか、よく分からないが、すべては世界の平和のためだ、気にするな清水君。
やっと今日もハードな一日が終わった。だが、世界の平和を守るために、ボクは明日も戦い続ける。
戦え!プロ・ポリスマン。負けるな!プロ・ポリスマン。我らがヒーロー、プロ・ポリスマンの明日はどっちだ!