ミツバチの童話と絵本のコンクール

ミツバチ プルちゃん

受賞中島 勇弥 様(栃木県)

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「わたしのおともだち
お花のかざりといっしょに来たの」

おやつのにんじんケーキをもってきた
おかあさんもおどろいています

ケーキはとてもいいにおい
プルちゃんもいっしょにいただきます
「もう巣に帰らないでずっとここにいようかしら」
ケーキの上にかかった
こがね色のとろんとしたものは
とてもあまくておいしくて
あれ?なんだかよく知ってる味・・・
「うさぎちゃんのおかあさん これはなに?」
「おほほほ 何言ってるの
それはハチミツ
あなたたちがあつめてきたんでしょ」

ふしぎそうな顔のうさぎちゃんに
おかあさんが言います
「ミツバチさんはね
女王バチやおすバチや赤ちゃんバチたちのために
みんなでお花からミツをあつめるのよ
そのミツをわたしたちもわけてもらって
こうしてつかっているのよ」

先生バチのおはなしをのんびり聞いていた
のんびりプルちゃんはそんなことは
何もおぼえていません

でもなんだかきゅうにえらくなったような
気がして
プルプル くるくる おへやの天井を
とびまわります

「でもね ミツバチさんも一ぴきじゃ
ほんの少ししかミツをあつめられないので
ずぅーっと遠くのお花まででかけていって
みんなで なんども なんども
ミツをはこぶのよ・・・」

うさぎちゃんはふぅーんとかんしんしたように
こがね色にキラキラひかる
ハチミツのびんをながめます
でもプルちゃんのプルプル羽のおとは
だんだん元気がなくなってきました
そんなだいじなしごとをしてるなんて知らなかった・・・
あんなにブンブンたくさんなかまがいるから
わたしがプルプルのんきにしてても
巣の中はミツでいっぱいだと
思ってた・・・

おひさまが青い空を追いかけるように
赤くなって お花畑は夕ぐれです

「もう かえっちゃうのー?」
「うんっ またあしたもここへくるから」
プルちゃんはミツをいっぱいにすいこみます
体についた花ふんはたしか・・・そう・・・
足でまあるいおだんごにするのです
ちょうちょさんにつれられてのんのんのんびり
やってきた道だけど
ミツバチなら・・・そう
おひさまのほうがくがわかれば
まっすぐ巣へかえれるはずです
プルプルプルプル
プルちゃんの羽の音は だんだン
ブルブル ブンブン ブーン ブーン
空気をふるわせる音にかわってゆきます

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