健康食品、化粧品、はちみつ・自然食品の山田養蜂場。「ひとりの人の健康」のために大切な自然からの贈り物をお届けいたします。
王様はお姫様とおやつを食べていましたが、画家がはいってきたのをみて喜びました。
みずから席を立ち、お姫様とシンをひきあわせました。
お姫様はシンがすぐにきにいったようでした。
ほほをかすかに赤くそめながら、おれいをいいました。
シンは笑顔で王様とお姫様に誕生日のお祝をいい、それから真顔になりました。
「王様、国中のミツバチをみな殺せというご命令はほんとうですか?」
「ああ、そのことか」
王様にはのんきなところがあって、ミツバチのことなどきにもしていませんでした。
ついさきほど、魔女にまかせたこともすっかりわすれていたぐらいだったのです。
「ミツバチなど、この国からいなくなってもどういうことはなかろう」
「王様、それはちがいます」とシン。テーブル上のクロワッサンをゆびさしていいました。
「ミツバチがいなくなれば、このクロワッサンにハチミツをぬることもできません」
「それはちとこまるな」
「ミツバチを飼っているハチミツ職人は仕事をうしない、生活にこまるでしょう」
「む、それはいかん」
「ミツバチが花粉をはこんでいた花のおおくは、この国から姿をけしてしまいます」
王様はついにだまってしまいました。ことの重大さが、やっとわかったのです。
「王様、自然は微妙なバランスの上になりたっています。ミツバチも大切な一員です」
「そのとおりだ」と王様。「ミツバチに罪はない。兵隊をもどすことにしよう」