健康食品、化粧品、はちみつ・自然食品の山田養蜂場。「ひとりの人の健康」のために大切な自然からの贈り物をお届けいたします。
2011年11月27日(日)、三木記念ホール(岡山県岡山市)にて、「原発と自然エネルギーを比べたら〜素晴らしい自然エネルギーの可能性〜」と題して、(株)NERC(自然エネルギー研究センター) 代表取締役センター長で工学博士の大友詔雄さんを迎えして、ご講演いただきました。
(株)NERCは、北海道大学のベンチャー企業として発足しました。自然エネルギーを用いた地域社会の再構築を目的として、自然エネルギーの開発と普及を行っています。
2011年3月に発生した東日本大震災以降は、自然エネルギーへの関心の高まりから、北海道内はもとより、全国から講演依頼やNERC訪問の問合せが増えているそうです。
大友さんは、かつて、日本原子力研究所の原子炉物理研究専門委員を務めていました。しかし、原子力を勉強するうちに、原発は放射能の放出を回避できないことや、放射性廃棄物の処理の問題から「原子力を安全にするのは不可能」と気づき、八ヶ月で委員を辞退し、自然エネルギーの開発と普及に方向転換をされました。
日本には54基の原発がありますが、西から東に風が吹くことが多いため、日本海側の原発で事故が起きた場合は、日本国中が大変なことになります。
自然エネルギーは、生命維持に必要な食糧生産と調和するエネルギーであり、持続可能なエネルギーです。紀元前4000年のシュメール文明や400年のイースター島社会などの文明の衰退の原因は、食糧不足でした。食糧生産を成り立たせることができない社会は持続可能でないことは、歴史から学ぶべき教訓です。
また、石油などの化石燃料は、地域外の産油国にお金が流出しますが、例えば、地域の未利用の木材を燃料にしたバイオマスエネルギーを使えば、富が地域に循環します。
外国の例で言うと、EU内の再生可能エネルギーにより、日本の人口の規模に換算すると約30万人の雇用が創出されています。これは、日本に10ある電力会社の直接雇用されている従業員約13万人をすべて雇用できる規模に相当します。
国内の事例として、北海道のA市では、木質バイオマスによる燃料を、S温泉に供給するしくみによる「地域内経済効果」の実証が行われています。このしくみによって、今まで地域外に流出していたお金を地位に還流させることができるので、地域が豊かになります。またこのしくみを作る原資は既に地域で支払っている石油代であり、一度、このしくみが成り立てば、石油の価格変動に地域の経済が左右されなくなります。
地域資源としての太陽のエネルギーは、世界の消費エネルギーの約16,000倍あることから、太陽のエネルギーは最も有効なエネルギー源です。休耕田に太陽光発電パネルを設置するという考えがありますが、休耕田は、いずれは食糧生産用に戻すべきで、設置するのは高速道路やビルなどの人工構造物の上に設置することが望ましいです。
さらに、風力エネルギーについては、「風車に鳥がぶつかって死ぬ」と言われていますが、アメリカの調査結果では、鳥の死亡原因の55%は建物や窓への衝突が原因で、鳥への被害はほとんどありません。
各地域の特性を活かした地域分散型のエネルギーを利用していくことが大切です。
質疑応答の時間には、潮流や地熱などの自然エネルギーの可能性やどうしたら自然エネルギーを購入することができるのかといった質問が相次ぎ、来場された方の自然エネルギーへの関心の高さを伺うことができました。
来場された方からは、「希望がわいてきました。政治家など、国民に何もかも隠していた。オープンにして国民が意識を変えないといけない」「原発に安全はないということがよく解りました。自然エネルギーの生産工場、もっと増えることを期待します」「地域内経済効果について中山間地域・奥村等の過疎化の長が理解し進めてゆく事に、期待したい」などの感想がありました。