健康食品、化粧品、はちみつ・自然食品の山田養蜂場。「ひとりの人の健康」のために大切な自然からの贈り物をお届けいたします。
2006年6月29日(木)、大垣女子短期大学名誉教授の森孝之先生をお迎えして、「未来がほほえみかける経営」と題して、人と地球に優しい企業、また生き方についてお話をいただきました。
「モノではなく、やすらぎや幸せ」を届ける企業。それは、人と地球に優しい企業であり、自分たちに厳しい企業です。
これまで、企業は、4マス型社会を形成してきました。「4マス」とは、マスプロダクション、マスセールス、マス消費、マス廃棄です。この社会は、人々を欲望の奴隷にし、欲望を満たすためにお金の奴隷にしました。その過程で、環境破壊、資源枯渇、南北問題、健康被害、労働観低下、共同体崩壊などの社会的な問題が発生したのです。
野菜の消費を例にとると、農家は、規格外などの理由で、収穫されたうちの80%程度しか出荷していませんでした。また、流通の過程で販売されるのは、出荷された内の80%。さらに、その内の80%程度しか調理されず、またその内の80%程度しか、食べられていなかったのです。結局、畑で取れた野菜のうち、40%しか食べられていませんでした。
一方で、地球の人口の5分の1にあたる「先進国」の11億人は、地球全体の資源の80%や、食料の50%を利用し、炭酸ガスの60%を排出しているとも言われています。他者の犠牲の上に成り立つ社会が、いつまでも続くはずがありません。
このような状況の中、希望ある動きがあります。一例を挙げると、アメリカ合衆国やドイツの、生活水準の高い地域を訪れた時、スーパーで販売されていたマグロの缶詰には、イルカのマークが付いていました。このマークは、マグロを獲る時に、イルカを獲ったり、傷つけたりしていないという証です。買い物は、投票と同じです。このマークがついているか否かを意識して缶詰を選ぶ人になるなど、一人ひとりが買い物を通じて世の中を変えられることに気づく必要があります。
私たちは、経済的資産だけでなく、環境的資産について考えなければなりません。経済的資産は、私たち人間が生み出したもので、環境的資産は自然のたまもの、海、山、森などです。
環境的資産を豊かにしながら、経済的資産を増やすことができたら、それが一番望ましい姿です。
有限な資源の中で、無限の欲望を満たすのではなく、安らぎや幸せを人々に与え、「暮らしを変えて、未来に夢をもつ」人を増やす企業が増えていってほしいと思います。