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一般の部 課題原稿

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プックルさんちは 大さわぎ作:たじま はるか

 ある山のふもとに、一本の木がたっていました。その木のちょうど真ん中あたりに、まるくて、かわいらしい、一軒の家があります。ミツバチのおうちです。大きな窓のついたその家には、元気なハチの子たちと、ちょっぴりおっかない母さんバチが暮らしていました。

 みんなは、母さんバチを、プックルさんと呼びます。いつもお尻をプリプリふりながら、あっちこっちをクルクル飛び回っているので、そう呼ばれているんですって。

課題1

 お日様がのぼると、ミツバチ一家は目を覚まします。朝早くからワイワイガヤガヤ、ブンブンブンブン、ミツバチさんちはとってもにぎやか。なかでも一番にぎやかなのは、プックルさんです。

「ほぉら、いつまで寝てるんだい。さっさと顔を洗って、朝ごはんを食べておくれよ。片付かないったらありゃしない。」

 プックルさんは、ぐうすか寝ている息子たちを、次から次へとたたき起こします。けれども、プックルさんの前には、まだ、ずらりとベッドが並んでいます。ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ・・・とう、二十・・・百、二百、三百。あぁ、もう数えきれないくらい、もっと、ずうっとたくさんいます。そうなんです、プックルさんには、ものすごくおおぜいの子どもがいるんです。

 「ふぅ、困ったねぇ。これじゃあ、きりがない。」

 プックルさんは、お尻をプリプリふりながら台所へ行くと、フライパンとおたまを持ってきました。そして、大きく息を吸うと、フライパンの真ん中を、思いきり、カーンと打ちました。

「さぁさぁ、みんな起きとくれ。空にはもう、おてんとさまが顔を出していらっしゃるよ。」

 プックルさんが大きな声を張り上げながら、カンカンカーンとフライパンを打ちならすので、たまりません。ねぼすけたちは飛び起きました。

 朝ごはんは、ハチミツをたっぷり使ったスペシャルメニュー。お料理当番の姉さんが、うでによりをかけて作ります。テーブルの上に並んでいるのは、ハニートーストに、ハチミツバナナヨーグルト、木の実のハチミツづけ。トマトとチーズのサラダにも、ハチミツをトローリたらしてめしあがれ。

 朝ごはんがすんだら、はたらき者の姉さんたちは大いそがし。ブンブンッと飛び立って、それぞれの仕事にとりかかります。

 大きい姉さんは、花のみつを集めるのが仕事です。大きな袋を持って、れんげ畑まで、みつをもらいに出かけます。そして、袋いっぱいのみつをかかえて、家まで戻ってくるのです。

 まだ外に出られない、中くらいの姉さんは、生まれたばかりの弟や妹のお世話係。一番小さい姉さんは、家中をお掃除してまわるのが仕事です。

 はたらき者の姉さんたちに比べて、兄さんたちは、のんびり、ゴロゴロ、ぐうたらりん。お腹がふくれると、部屋のあちこちに寝っころがって、なんにもせずにブラブラしています。

「やれやれ、おまえたちも、少しははたらいたらどうなんだい。手伝いもせずにぐうたらしてたら、みんなまとめて追い出しちまうよ。」

 プックルさんは、あきれ顔で言うのでした。

 その日の昼下がり。

 れんげ畑に行っていた姉さんたちが、みつをかかえて帰ってきました。

「おかえり。疲れただろう。さぁさ、ひと休みしてお茶にしましょうね。」

プックルさんが出むかえて言いました。

 ハチの子たちが席に着きます。テーブルには、ハチミツ入りのクッキーと、ハチミツたっぷりのミルクティー。甘いおいしそうな香りが、部屋の中にふんわりとただよっています。

課題2

 「それでは、いただきましょうかね。」

 プックルさんがクッキーに手をのばした、その時です。突然、ぐらりと部屋がかたむきました。カップが、ガシャンガシャンと音を立てます。

 「なんだろう。」

 「地しんかな。」

 みんなが顔を見合わせた時、また、ぐらーんぐらんと、部屋がゆれました。そして、家中をふるわすような、低くて太い声が聞こえたのです。

「おうい、ハチミツ、よこせ。おれ様は、はらぺこだ。さっさとしないと、こんな家、ぺしゃんこにつぶしてやるぞ。」

 窓からは、ギョロリと光る大きな目が、こちらをのぞいているではありませんか。

 クマです。お腹をすかせたクマが、山からおりてきたのです。

「たいへんだ、たいへんだ。」

 ハチの子たちは、大さわぎ。

 「おうちが、つぶされちゃうよう。」

 小さい弟や妹たちは、泣きべそをかいています。

 プックルさんは、クマをきっとにらみつけました。

 「誰があんたなんかに大事なハチミツをやるもんですか!」

 そして、子どもたちを見わたすと、今度は優しく言いました。

 「さぁみんな、もうひと仕事だよ。地下室へ行って、ありったけの花粉だんごを持ってきておくれ。」

何百ものきょうだいが列をなし、地下室から花粉だんごを運びます。

よいこらブンブン ほいさのブン

わるいクマなど やっつけろ

花粉だんごで やっつけろ

いつもはゴロゴロしている兄さんたちも、必死に手伝いました。

その間も、クマはぐらんぐらんとゆさぶりつづけます。小さな家は、今にもこわれてしまいそう。

 「なんて憎たらしいクマなんだい。おまえなんかに家をつぶされてたまるもんですか。みんな、用意はいいかい。それっ!」

 プックルさんの合図に合わせて、みんなはいつせいに花粉だんごを投げつけました。

 ペチャッ ペチャッ

 だんごが、クマのうでや胸にあたりました。けれども、大きな体はびくともしません。それどころか、クマは、ガッハッハッと愉快そうに笑って言いました。

 「こんな小さなだんごで、おれ様をやっつけようっていうのかい。笑わせちゃいけないぜ。おまえたちみたいな小さなミツバチが何百ぴきでかかってきたって、おれ様に勝てるわけがないさ。」

 プックルさんは、うで組みをして、うーんとうなりました。

 そして、しばらくうーんうーんとうなった後、ポンと手をたたいて、顔を上げました。

「そうだよ、大きなクマには大きなだんごだ。いいかい、みんな。とびきり大きなだんごを作るんだよ。」

 よいこらブンブン ほいさのブン

 大きなクマには 大だんご

 力を合わせて ギュッギュッギュッ

 数百のハチの子たちが力を合わせると、あっという間に大きなだんごができあがりました。それは、自分たちの体よりもずっと大きくて、ずっと重いかたまりでした。

課題3

 「よし、みんな、もうひとふんばりだ。次にクマが顔をのぞかせたら、この特大だんごを思いっきりおみまいしてやるよ。」

 プックルさんがそう言った時、クマの大きな黒い顔が、窓の外にぬっと現われました。

 「今だ、それっ!」

 ハチの子たちは、息を合わせて特大だんごを投げつけました。

 ドーン!

だんごは見事、おでこに命中。

「いててててっ、こりゃたまらん。」

クマは、赤くはれたおでこをおさえて、山へと帰って行きました。

夜になりました。ハチの子たちは、ベッドに入ってスヤスヤとねむっています。

プックルさんは、寝顔をながめながら思いました。

みんな、かわいい、わたしの子。

はたらき者の姉さんも、のんびり屋の兄さんも、なきべそのチビちゃんも。

みぃんな、わたしの、たからもの。

さぁさ、早く寝なくっちゃ。

明日もいい日になりそうだ。

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