ミツバチの童話と絵本のコンクール

まんまる おつきさま おねがいよーう

受賞藤原 紫穂 様(千葉県)

あるひのこと、
「ケムリンさーん、たすけてー。」
もりから ちいさな こえが きこえてきました。
ケムリンさんは すがたは いるか いないか わからないけど、
みみは とっても よく きこえるのです。すぐ とんでいきました。
もりいちばんの あばれんぼうの きが、けんかを しています。
ねっこを もちあげて けとばしっこ、えだを のばして ひっぱりっこ。
みつごの きょうだい、 コナラの きたちです。
「おまえが のさばるから、こっちに おひさまが あたらない。」
「ちがう、おまえだろ。」
「あんたが よっかかるからよ。」
ねっこが からまって、えだが こんがらがって、たいへんな さわぎです。
その したで、キスゲのはなが ふるえながら、
ケムリンさんを よんでいました。

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