ミツバチの童話と絵本のコンクール

ゲンさんのはらまき

受賞行田 美希 様(京都府)

「トラじまのはらまき知りませんか?」
 ゲンさんは、はらまきがなくておちつかないので、黒いブチのあるバナナをおなかにまいてみました。
「あと一軒だけになってしまった。」
 夕方、つかれきったゴロウさんが言いました。ゲンさんはうなずき、「ハナバチ」とかいてあるピンクの家のドアをたたきました。
「は〜〜い。」

 ドアから出てきたのは、ピンクのエプロンをつけたとてもかわいいハチでした。ゲンさんはハッとしました。おなかのバナナが落ちました。
「ハナちゃん・・・。」
 そう!この人は高校時代のゲンさんの初恋の人だったのです。
「久しぶりね!」
 ハナバチ・ハナさんは言いました。ゲンさんは、まっかです。
「そうそう、これ。」
 ハナさんは何かを持ってきました。それは、はらまきでした。
「ゆうびんやさんがとどけてくれたの。中の手紙をみて・・・。」
 ハナさんはクスクス笑いました。
「つまり、中に入っていたのは、わたせなかったラブレター。はらまきを拾ってくれたゆうびんやさんが、そのあて名を見てとどけてくれたのか!」
 ゴロウさんが言いました。ゲンさんはますますまっかです。はらまきの中からは、手紙のほかに、フエ、写真、だんご、なわとびがでてきました。

 次の日、ゲンさんはゆうびん局へ行きました。はらまきをとどけてくれたゆうびんやさんは、カモメ・ヒロさんでした。ヒロさんは
「ゆうびんやとして当ぜんのことです!」
と言った後、
「それにしても、ラブレターとは・・・感動的。」
とつけたしました。
 数日後、ハチミツ村のみんなは教会に集まりました。今日は、ゲンさんとハナさんのけっこん式です。

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