こんな感じで、変わったお父さんとぼく、そして、お父さんのことが大好きなお母さんと、くらしています。いつかハチから人間のお父さんになってほしいと、お父さんとお母さんにひみつで、ぼくは願っています。
・・・で終わると思っていたけど、きせきが起こりました。まさかの事です！

　ぼく、家庭科でホットケーキを作るので、ハチミツをビンごと持って行ったんだ。お母さんは、働いているからスーパーには、あまり行けないので、何週間かハチミツが食べれなかったんだ。すると、日にちがたつほど、だんだん人間のお父さんに変わっていったんだ。そして今日、本当の人間に変わったよ。学校から帰ってきて、目玉が飛び出すぐらいびっくりしたんだもん。うれしかった！ぼくの願いが、ようやくかなったよ。これからはもういやな思いをしなくてもいいんだ！やったー！お母さんは、というとちょっとガッカリしてたけど、またラブラブに、
「おとうさん」
ってよび合いっこ。人間にもどったのは、いいけど…。

　このことを、八谷先生に話したら、ぽろって言ってたよ。
「ほー。良かった。」
なーんて。会社の人なんか、
「ミツ集め、かんたんだったのにさ。」
とか。ぼくは気づいたよ。ハチのお父さんもけっこう良かったかも、ってね。
　お父さんは人間にもどったけど、ゆだんはできないので、ハチミツは食べるのを禁止しています。みんなも、おいしいハチミツを食べすぎるとミツバチになっちゃうかもね。