ミツバチの童話と絵本のコンクール

まめかぞく おしろの花

受賞中井 珠生 様(京都府)

 あるところに、せかい一大きなまめまめ国という、国がありました。その国にいる人は、みんな、まめなんです。
 その国を、おさめている王さまは、とってもいっぱいかぞくがいて、そのうえ、いとこもどっさりいます。
 かんむり王国の、かんむりおひめさまとかんむり王じさまや、フムヨム王国の、フムヨムくんなどです。
 ついこの前に、いとこの一かぞくは、三十五ばんめの赤ちゃんを、うんだとこです。
 その三十五ばんめの赤ちゃんは、今三才ですが、ようちえんがおわると、すぐに、まめ王さまのところにいって、いろんな絵本のお話を、聞かせてもらっています。その絵本の名前は、「まめ大すきだけど、食べるのかわいそう」や、「まめでっぽうポンポン!」など、「まめ」にかかわるお話です。
 王さまは、りっぱなおしろにすんでいます。そのおしろのまわりには、十れつの花だんがあります。九れつめまでぜんぶ花はさいていますが、一れつだけ、あいています。
 まめ王さまのお父さんは、まほうつかいでした。むかし、そのまほうつかいのお父さんは、十れつの花だんにぜんぶたねをうえましたが、十れつめの一れつだけめがでてこなくて、ほかのれつは、ぜんぶ花がさきました。お父さんは、毎日、三回ずつ、花だんに水をやりましたが、ほかの花ばかり大きくなって、一れつめは、ずっとめが出てきませんでした。
 お父さんは、しかたなく、たねをぬきました。まほうだけででも、どうしても花をさかせたかったので、一日五十回も、まほうをかけましたが、やっぱりだめでした。お父さんはねがいがかなう、ふしぎなしんじゅをもっていたので、そのしんじゅにうったえました。
「わしの花だんの、一れつだけ、めも、花も、はっぱすらはえてこない。だから、わしのむすこがりっぱになったとき、一ばんうつくしい花を、さいていない一れつに、さかせてくれ。」
 と、このようになっていたからです。

 ある日、まめ王さまが、十れつの花だんに、水をやりにいくと、おどろいたことに、今までさいていなかった、一れつに、一ども見たこともない、花だんの中でも一ばん大きくて、うつくしくて、生々した花がさいていたのです。
 色は、まん中の花は、にじ色で、そのまわりの花は、にじ色の、一色一色が、一つ一つの花になっています。
 まめ王さまは、あまりのうつくしさに、一目ぼれして、ないてしまいました。まわりの人たちは、まめ王さまが、あまり大きなこえでなくので、びっくりしてかけよりました。また、かけよってきた人も、花のうつくしさに、かんどうしてないてしまいました。
 まめ王さまは、あまりのうれしさにまめまめ国のみんなをしょうたいして、「花がさいた、おめでとうパーティー」をひらきました。
 まめ王さまたちは、パーティーがおわると、もう一どうつくしい花を見にいきましたが、そこにはハチが、ブンブンと、百匹いじょういました。うつくしい花をかくして、けんかするように花のミツをすっていきます。
 いくら花のミツをすわれても、しんじゅのまほうの花なので、花のミツは、なくなりません。そのうち、ハチはとんでいきました。
 それから毎日、まめ王さまが、花に水をやるときに、ハチも花のミツをすいにきます。王さまは、とってもやさしかったので、ハチと友だちになりました。
 ハチは、おしろの近くにハチのすを作りました。そして、ハチのゆうびんやさんが、毎週三回まほうの花のかおりのハチミツを、とどけてくれました。また、ほかの花の、ハチミツも、週に、二回とどけてくれるようになりました。 それから、一週かんの一回だけ、上とうなハチミツをくれます。なんとそれは、うちゅうの花のハチミツです。
 まめ王さまは、このときからハチミツが大すきになりました。

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