ミツバチの童話と絵本のコンクール

はちみつレストラン

受賞友部 幸織 様(茨城県)

 はちみつレストランは、午前十時から午後十一時までやっている、すごく人気の高いレストランです。
 午前十時に開店するというのに、午前七時に店の前にならばないと、一番になれません。しかも、一日に、約一万人も来て、いつもはちみつレストランは大さわぎ。
 はちみつカレーや、はちみつハンバーグ、それに、最高級の肉を使った、はちみつステーキまで、どこのレストランに行っても食べられないおいしいメニューが千百五十種類もそろっています。帰りは、はちみつあまからだんごをもらって帰ります。
 世界一、味にきびしい人が行っても、「すごくおいしかったです!!また来ます!!」と言って帰ります。
 
 はちみつレストランの店長さんは、人間の言葉を話せる『みっち』というとても若い女王ばちです。何度も記者会見をするほど有名です。
 このレストランのじゅう業員は全部で五百九十六人(ひき)。ちゃんと役わりも決まっています。
 みっち店長は女王ばち。料理を作ったり、皿をあらうのは働きばち。ウエイトレスさんやレジは、人間がやります。アルバイトさんも人間で、さとうがいっぱいになるまでテーブルのびんにつめたり、そうじをしたり、迷子のお知らせをすることもあります。
 お客さんの数が多くて、つらい時もありますが、みんな楽しくやっています。
 みんな「すごくおいしかった」と言って帰りますが、どうしてこんなに人気があるのか気になりませんか?それでは特別に教えてあげましょう。
 
 まず一つ目に、お店の人(はち)の手ぎわがいいことです。
 料理は、分量などをほんの少しでもまちがえるとおいしくなくなってしまいますよね。
 でも、働きばちの目は、すごくいいので、分量をまちがえることはなく、おいしい料理を作れるのです。
 また、ならんでいて時間が少なくなってしまったお客さんには本当にすぐに持ってきてくれます。
 
 次に、子ども連れにもとても親切です。迷子になってもすぐ気がついてお知らせをしてくれるので、安心して連れて来られるのです。
 また、子ども用メニューもそろっているし、好きな量が選べるので、子どももおいしく食べられて、残すこともありません。
 
 最後に、レストランの中がごうかで、清けつなことです。
 まだできたばかりなのももちろんですが、ごみがゆかに落ちていることはありません。広々としていて、空気もおいしいし、いいにおいもします。もちろん全席禁えんです。「店の中がきれいだから、またきます!!」と言って帰るお客さんもいるんですよ!!
 おてふきも、はちみつのあまいかおりがするし、赤ちゃんがおてふきをくわえても、大じょうぶなようになっているというわけです。
 
 ある日のこと、一人のアルバイトさんがみっち店長をさがしていました。でも、どこをさがしても見つかりません。みっち店長なしでは、お店はやっていけません。大変なことになってしまいました!!
 すぐに店をしめ、みんなでみっち店長をさがすことにしました。そして、店の車や、ヘリコプターまで使って、手わけしてさがしました。見つからないと、いつまでも店が開かないのです。そしてやっと三日目の夕方、「たった今、みっち店長が森の中で見つかりました!!」と、連らくが入りました。さがしていたみんなが、いろいろな所から急いでかけつけました。
 見つかった時、みっち店長は、温かくてあまいはちみつジュースをねこんでいるくまのお母さんに作ってあげていたところでした。
 みっち店長は無事でしたが、くまのぼうやがさらっていったことを知って、働きばちが「どうしてみっち店長をさらっていったの?」
と聞くと、くまのぼうやはなみだをこぼしながら
「はい。悪いことだとは思いましたが、お母さんが重い病気にかかってしまい、お母さんを助けるために、どうしても店長さんの力が必要だったのです。ごめんなさい!!」
とあやまりました。しばらくみんなだまっていましたが、別の働きばちが、
「そうだ!!今度は森の中に、動物たちのためのレストランを作ろう!!」
と言い出し、森の中にはちみつレストランを建てることになりました。
 そうして『もりの中のはちみつレストラン』は、開店しました。人間のレストランと同じように、毎日動物たちの行列ができて、人気のお店になりました。栄養もじゅうぶんとれたので、今では動物たちも元気で幸せにくらしています。

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