健康食品、化粧品、はちみつ・自然食品の山田養蜂場。「ひとりの人の健康」のために大切な自然からの贈り物をお届けいたします。
あきが、おわろうとしています。こぐまのベリーにとって、はじめてのふゆがやってくるのです。
「おさんぽも今日でしばらく、おあずけかあ」
いつものように、ベリーは、森でおさんぽをしていました。
「あれ? あれは、なんだ?」
ベリーは、立ちどまりました。目の前には、きのうまでなかった、小さなお店がたっていました。かんばんには、『ふしぎなはちみつあります』と書いてあります。
「はちみつ? ぼくの大こうぶつだ」
ベリーは、まよわず、お店に入りました。
お店は、はちみつのビンで、いっぱいでした。『ほっぺが、おちるはちみつ』『空をとべるはちみつ』『ドキドキが、おさまるはちみつ』『やけどにきくはちみつ』ほかにもさまざまなはちみつが、ありました。ベリーは、それを見て、目をまわしそうでした。
カラン、カラーン
ほかのおきゃくさんが、入ってきました。
「空をとべるはちみつください」
「はい、かしこまりました」
お店の人は、ニコニコして、はちみつをおきゃくさんに、わたしました。
(空をとぶのかー。それもいいなぁ)
ベリーは、空とぶ自分をそうぞうしました。
カラン、カラーン
「えいごが、話せるはちみつちょうだい」
「かしこまりー」
(りょこうに、行くんだな。ぼくも行きたいなぁ)
カラン、カラーン
「友だちが、できるはちみつ」
「はい、どうぞ」
(さいきん、ひっこしてきたんだな。ぼくが、友だちになってあげよう)
ベリーが、どのはちみつにするか、まよっている間に、たくさんのおきゃくさんが、やってきて、はちみつをかってかえりました。
「いいなー、はやくきまって」
ベリーは、くちびるをとがらせました。ベリーは、まだきまらないようです。
カラン、カラーン
また、つぎのおきゃくさんが、入ってきました。見ると、ヘビのスーばあさんでした。スーばあさんは、森一ばんのおとしよりでした。ベリーに気付かないスーばあさんは、少しもまよわず言いました。
「さいきん、年をとったのかねぇ。ねつきが、わるくなって、こまったもんだよ。よくねむれて、めざめのよくなる、はちみつをおくれ」
スーばあさんのことばを聞いて、ベリーは、手をたたきました。
「それだ!」
ベリーは、とてもうれしそうです。生まれてはじめてのとうみん。うまくねむれるか、本当は、とってもしんぱいしていたのです。
「明日からのとうみん。これで、もうあんしんだ」
ベリーが、そう言うと、ベリーに気付いたスーばあさんは、小さくウインクをしました。
「すみませーん。ぐっすりねむれて、うーんとあまいはちみつ。ぼくにもください!」
ベリーは、むねをはって、お店の人に言いました。
ベリーは、家にかえって、しっかりとばんごはんを食べました。長いあいだごはんも食べずにねむるのですから、おなかが、すかないようにです。そして、ゆっくりと、おふろに入り、いつもより、ピッカピカに、はをみがきました。へやを、きれいにおそうじして、ベッドもきちんと、ととのえました。もうこれで、じゅんびは、オッケー。ベリーは、かってきたはちみつをつかって、レモネードをつくりました。とっても、すっぱくて、とーってもあまい、レモネード。ベリーは、おかわりを、したくなりました。
「もっと、のみたいけど、がまんしよう。そして、はるになって、目がさめたら、何よりもさきに、これをのもう。その日までのおたのしみだ」
ベリーは、大きなあくびをしました。森にふゆが、やってきたようです。
ゆめの中で、ベリーは、みつばちと、なかよくなりました。たっぷりと、はちみつをごちそうになるゆめです。
「もう、おなかいっぱいだよ」
ぐっすりと、ねむったベリーは、ペロンと、くちびるをなめています。
ベリーのはじめてのとうみんは、だいせいこうのようです。