車はビュンビュン走っています。
ひかれそうになったブンタはあわてて空へ飛びあがりました。
ゴホゴホ、排気ガスのせいでせきまでしています。
（なんて怖いところなんだ、ゴホゴホ早く行かなきゃ）

またまた飛んで行くとビルの影で
シクシク みつばちの女の子が泣いていました。
「どうしたの？大丈夫？」
ブンタは尋ねました。
女の子は
「おなかがすいて動けないの
この辺りはビルばかりで花が咲いていないのよ」と言いました。
なるほど確かに車ばかりで花など咲いていません。
実はブンタもおなかがすいてきたのです。

（カナちゃんのお花畑に戻りたいなぁ…。
そしたらいろんな花がいっぱいあるのに。
そうだ！カナちゃんの家に戻ったらいいんだ！この子も連れていこう！）
そして女の子に
「来て！お花がいっぱいあるところに連れて行ってあげるよ！」
と言いました。
「本当に？ワーイありがとう。」

二匹はどんどん飛んでいきます。
下にはいろんなものが見えます。
でもブンタは カナちゃんのお花畑に
帰ることだけを 考えていました。
（やっぱりぼくにはあのお花畑が一番なんだ。
きっとこの子も気に入ってくれるよ！）