南アフリカでは、子供たちが母国語の本に存分に親しむ環境が整っていません。当社では、本は子供たちの未来をひらくと考えて、2004年より南アフリカの小学校263校に、51,000冊以上の本を届けてきました。
IBBYの世界大会参加を機に、2004年9月よりIBBY南アフリカ支部と図書普及プロジェクト「BOOK FLOOD LIBRARIES」を開始いたしました。このプロジェクトでは南アフリカの子供たちの読書環境を整備するために「南アフリカの小学校に図書を寄贈する」という活動を展開しています。
特にスラム街にある小学校は、「図書室」といっても廊下に並べられた机に本が数冊置かれているような状況です。そのような状況を改善するために、毎年25校前後の小中学校に、現地の各民族の言語(11種類)に訳した図書など約300冊を寄贈しています。
2008年には、大人への啓発活動として「南アフリカの図書100冊を紹介する冊子」を制作し、南アフリカ中を巡回展示する活動に取り組みました。
これらの活動は、現地NGOの「BIBLIONEF SOUTH AFRICA」の協力を得て実現しました。さらに、この「BIBLIONEF SOUTH AFRICA」との共同支援活動として、ロバートソン地域という貧しい農業従事者の居住地域の小学校20校に対して、図書寄贈、授業カリキュラムへの組み込み、貸し出しシステムの構築を行いました。
- BIBLIONEF SOUTH AFRICA
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1989年に設立された図書普及活動を行うNGOの南アフリカ支部。ビブリオネフは、フランスを本部として世界5カ国(フランス、オランダ、ベルギー、スリナム、南アフリカ)で支部を展開。いずれの支部も独立して経営を行っている。ユネスコやユニセフからも認められている団体。代表者はジーン・ウィリアムズ氏。
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南アフリカの小学校からのメッセージと活動内容
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- ウェスタンケープにある、メルクボストランドの
児童養護施設のキャシー・ハートリー女史
- 4歳〜6歳の児童対象のゾーサ語とアフリカーン語の本をいただき、本当に嬉しく我を忘れて有頂天になりました。子供たちは少しずつですが自信を持って本を読むようになってきています。
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- ウェスタンケープにあるマルコニビーン小学校
図書コーディネーター
- 初めて本が届いた日のことは、教師、児童ともに忘れられません。子供たちは読書中、難しい箇所にぶつかっても、それでも読むことを楽しんでいます。私たちも放課後、一生懸命子供たちに読書の手助けを行っています。
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- ナミビアにあるデンウイ幼稚園のケイト・スターク女史
- 悲しいことにこの小さな村の大人は一人も字が読めません。彼らには、本の中の絵にざっと目を通してもらうことしかできません。しかし彼らは、子供たちにとって「読む」ということがどれほどの価値のあるものか十分に理解し、自分たちが持てなかった強みを子供たちが持てることをとても喜んでいます。
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- ブルイントジェリバー小学校と幼稚園
- ボニーヴェイルに位置するこの学校は我々が支援した経済的に最も困窮している学校の中の一校でした。この学校の児童は全員本が一冊もない非常に貧しい地区から通っています。子供たちが初めて本に触れるのは彼等が幼稚園に通い始める時です。
この学校には5クラスあり140 人の児童がいます。4人の教員と1人の補助教員がいます。専用の独立した部屋はなかったので、本が各教室に保管出来るように4つの鉄製トランクが提供されました。ブルイントジェリバー小学校にはフィクションとノンフィクションを合わせて276冊の本と1組の百科事典と生活技能を教えるための8組の啓発書が贈られました。
正式な引渡の後に、ビブリオネフはこの1組の百科事典を保管する本棚を持ってこの学校に戻りました。この本棚は校長室に設置されていますが、児童と教員も利用出来ます。
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- デテュイネン小学校
- ワーセスターにあるこの学校は、農場労働者として大抵は農場で働いてる非常に貧しい人々の子供たちの面倒を見ています。
デテュイネンには蔵書が非常に充実している図書室がありますが、一部欠けている蔵書を埋めるためにビブリオネフの支援を必要としていました。この学校は本棚と貸出システムの点においても多大な指導を必要としていました。特に、この学校では年長の児童向けのノンフィクションとフィクションの分野の本を必要としていました。
そこでフィクションの本276冊とHIV/エイズの啓発本8冊が贈られました。
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- ケープタウン図書見本市2009では、ブックスタンドを支援
- 2009年6月に行われたケープタウン図書見本市に出典するIBBY南アフリカのブーススタンドの支援をしました。
100名を超える幼児を持つ両親や若者がブースを訪れ、本に親しむきっかけをつくることができました。