ミツバチの絵本コンクール

ゆめの田んぼ

入選佐藤 邦子 様(宮城県)

@  
 昨日も今日も、おじいちゃんはとてもうれしそうにしている。

A  
「おじいちゃん、何かいいことあったの」
 みつ子が、おばあちゃんにたずねると、
「おじいちゃんの夢の田んぼが、やっと作れるようになったの。今日も準備のために出かけたの。帰ったら、聞いてごらん」
 おばあちゃんもうれしそうです。

B  
「ただいま」おじいちゃんが帰ってきました。
 ゆめの田んぼは、広いかいだんみたいなところに作るんだそうです。ずっとお米をうえていないところです。

C  
「これまでは、米をいっぱい作ってはいけません、という決まりがあってねぇ、作れなかった。でも、いっぱい作ってもいいよってことになったんだよ。お米もハチミツもとれる田んぼだよ。今日はレンゲソウの種をまいて、明日はミツバチのお家を作るよ」

D  
 5月です。ゆめの田んぼの田うえの日です。お仕事が休みの、お父さんもお母さんも、近所のおじさんたちも、おばさんたちもあつまりました。
 ゆめの田んぼは、広いかいだん。かいだんは六だんあります。いちだんおきに、あかむらさきのレンゲソウの花がさいています。

E  
 花と花との間にあるかいだんに、みんながお米の苗をうえました。ミツバツたちも、花の上を飛びまわり、ブーンブーン、はたらいてます。ミツバチのおしごとのジャマをしないように、みんなは、頭から、せんたくネットみたいなものをかぶっていました。

F
 田うえのおわった、ゆめの田んぼは、みどり色の苗とあかむらさきの花が、だんだんとつづいていて、絵本にあった宮殿のかいだんみたいに、りっぱで、きれいでした。

G  
 「ここには、きれいな空気がながれているなあ」と、おじいちゃんは、しばらくながめていました。それから、ミツバチたちのお家、巣箱をみにいきました。

H  
 誰かが「プロポーズ大作戦だね」と言うと、大きな笑い声がおきました。みつ子も、なんのことかわからなかったけど、いっしょに笑いました。

I  
 おじいちゃんが、しぼったばかりのハチミツのカップを両手でだいじそうに持ち、おばあちゃんにさしだしたとき、手拍子がおこり「プロポーズ、プロポーズ。50年まえのプロポーズ」とみんなが声をあわせて言いました。
 おじいちゃんとおばあちゃんは、はずかしそうにほほえんでいました。でもなんだか、ほこらしげにもみえました。

J  
 お家に帰って、お母さんが話してくれました。
「おじいちゃんが若いときはね、今日見たのと同じ田んぼがあったの。そして、今日見たように、おじいちゃんは、おばあちゃんにハチミツをさしだし「けっこんしてください」と言ったの。

K  
 みつ子は心に決めました。おじいちゃんみたいにミツバチとなかよしで、おいしいハチミツを作る人とけっこんしよう。

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