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みつばちの童話と絵本のコンクール 山田養蜂場の社会貢献活動


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応募総数 2587編 (童話2045編/絵本542編)

受賞者コメント
審査員の講評



「視点を変えれば…」


昭和女子大学名誉教授 児童文学者
西本 鶏介 先生

 このコンクールの素材は、ミツバチやハチミツであっても、視点を変えればさまざまなドラマが生まれるはずです。いちばんつまらないのは、常識的で類型的な作品。どうすれば、そこから脱け出せるかを考えてください。子どもの作品が面白いのは、発想がのびのびしているからです。それでも、回を重ねるごとに個性的な感性や奥ゆきのある作品が、増えてきたように思います。どの部門にも最優秀賞の作品を選び出せたのが、なによりの証拠です。
 童話の部は、とび抜けた作品はなかったけれど、入賞作はいずれも読みごたえがあり、作品にこめる作者たちの熱い思いを感じました。
 「きらきら」は、ラストがすばらしい。飛びかう紙飛行機の中を舞いあがっていくミツバチたち。不幸な友だちをはげまそうとする、みんなの願いが見事に象徴されています。
 「雨の日曜日」は、やわらかな感性を持つファンタジー。ノートに書く話は物足りないけれど、主人公と黒うさぎの交流がきめ細かく描かれ、不思議な気分にさせてくれます。
 「ぼくの妖精」は、手なれた書き方で、ぼくの思いがいきいきと伝わってきます。男勝りでもどこか女性らしい彼女が魅力的です。
 「はちみつの思い出」は、戦時下の人間愛物語。ノンフィクションスタイルに説得力があり、切なくもあたたかなドラマとして胸を打つ。
 「山の神さまのこども」は、母のふるさとで出会った不思議な子どもとのふれあいを通して、自然への感謝をさわやかに描き出しています。
 「ハルやベーカリーのお客さま」は、きつねが商店街の人に化けてパンを買いにくる面白い話ですが、古くさい化け方の講義は必要なし。
 「ブンブンのひみつ」は、ミツがきらいなミツバチという発想が新鮮。うそのなみだが、友情によって本物に変わるところがすてきです。皮肉ではない子どもならではの面白い話です。
 「やさしい みつばち」は、お見舞いにきた虫たちのそれぞれのプレゼントが独創的で、虫の世界のできごとが目に見えるようです。
 「まめかぞく おしろの花」は、どこまでも広がっていく作者の空想力に感心しました。少しごたごたしていますが退屈しない話です。
 絵本の部は、まだまだ力不足。物語のさし絵という感覚でなく、絵本ならではの表現力を考えてほしいものです。子どもはともかく、大人であるなら文字をきちんとしたい。読みづらい手書きの字を絵の上に貼りつけるのは考えもの。絵本は、文と絵によって成りたっていることを忘れないでください。
 「ぼくのしましま」は、文も絵もよく調和がとれた完成度の高い作品。ミツバチが花の上に残したしましまを発見するまでが、テンポよく表現されています。クローズアップされるシンプルな縞模様の絵が楽しく、デッサン力も確かです。
 「あくまくま」は、話は平凡ですが、大胆なデフォルメと豊かな色彩感の絵に魅かれます。とりわけ巣箱の前のあくまの画面が印象的。表紙は絵本の顔、もっとしっかり描きたい。
 「しろくろちゃんのごろごろ」は、マンガタッチの親しみやすい絵が楽しいけれど、同じような構図が続くのは感心できません。
 「ぶんぶんとのさま」は、軽妙であたたかみのある絵が、わがままな殿さまとミツバチの葛藤を描くのに効果的。だが文も文字もまずい。
 「ミツバチ、うちゅうにいく」は、ミツバチのロケットがさまざまの新しい世界を見せてくれます。どの画面もくっきりと描かれ、ロケットにのりこんだミツバチたちの表情が、なんともユーモラス。冒険心にあふれた作品です。
 「たのしいハチのいちにち」は、ことば遊びのアイディアがユニークなら、六角形の囲いの中で表現する絵もデザイン感覚があって新鮮。兄弟が協力してつくりあげた力作の絵本です。
 「ビーちゃんはちみつをとってくる」は、ミツバチの日常を屈託なく描く絵がほほえましい。ビーちゃんは少しまじめすぎるようです。
 「1・2の3 ピョーン」は、ストーリー性の豊かな絵本。ミツバチをまねてとぼうとするオタマちゃんのがんばりに拍手。絵もがんばろう。




童話作家
角野 栄子 先生

 今年は、ミツバチはミツバチでも、ちょっと変わった蜂があらわれました。紙飛行機に姿を変えたミツバチです。それは青い空に友情を乗せて、いっせいに飛んでいきました。とてもさわやかで、新鮮な作品でした。ちょっと心を動かしてみると、世界が広がっていきます。このように冒険をしてみようという気持ちは貴重です。来年は10回を記念して、ミツバチも、私たちも生かされている自然にテーマを広げることになりました。どんな作品と出会えるかとても楽しみです。




絵本作家
長野 ヒデ子 先生

 ミツバチから自分を見つめている素直な作品が多く気持ちよかった。絵本部門「ぼくのしましま」は、デ ザイン的で新鮮。だが表紙が平凡、表紙は全体を表す大事な顔。「あくまくま」は、実にいい絵!だが残念なことにお話ができてない。「ミツバチ、うちゅうにいく」抜群にいい!「たのしいハチのいちにち」は、三兄弟の創った楽しさまでが伝わってくる。形も6角形だ。童話部門「きらきら」と「雨の日曜日」は、安心できる作。「山の神さまのこども」はタイトルで損。「ブンブンのひみつ」こんな変わり者が出てくるのが面白いなあ。




小説家/漫画家
折原 みと 先生

 今回いちばんのお気に入りは、子どもの部の最優秀絵本賞「ミツバチ、うちゅうにいく」。のびのびした 発想力と、楽しんで描いている気持ちが伝わって くる所が大好きです。大人の部にも、こんな風に、夢いっぱいのワクワク楽しい作品があればなぁ…と思ってしまいました。「ミツバチ」というテーマが限定されているせいか、どうしても似たようなパターン化された内容の作品が多いのが残念。第10回を期に、新しくパワーアップするコンクール。今までにない自由な発想、バラエティーに富んだ作品が寄せられることを期待しています。




法政大学教授/教育評論家
尾木 直樹 先生

 子どもたちを取り巻く環境は厳しさを増し、昨今はトレーニング中心の学力向上一辺倒に陥りがち。しか し、子どもたちの作品は豊かな発想と自由な感性に満ち溢れ、いずれ劣らぬ力作ぞろい。今回は全体的に魅力的な作品が多く、友情、親の愛情、身近な人々との心の触れ合いなど、現代が失いつつある大切なことを思い出させてくれる優しく、さわやかな作品が多かった。来年は節目の第10回、あっと驚くような作品を期待しています。



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