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みつばちの童話と絵本のコンクール 山田養蜂場の社会貢献活動


「山の神さまのこども」C


一般の部  佳 作 乗松 葉子 (東京都)

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 おばさんの怒りようったらなかった。
「もう、もう、どこへ行ってたのよう!」
 と泣きそうな顔でぼくに抱きついたかと思うと、バカ!といって、強烈なげんこつをくらわした。それから、車の中で、「もう二度と山の中に一人で入らない」ことを固く約束させられた。
 おばさんには、あの子との約束のことは、とても言えない、とぼくは思った。だけど、行かなくちゃ。
「きっと君の母さん、治るよ」
 男の子の声がいつまでも耳の奥で響いていた。
 きっと君の母さん、治るよ。



 次の日、父さんの言いつけどおり、ぼくはうんと早起きをした。
 おじさんとおばさんが、朝の畑でもいだばかりのトマトにかじりつくと、信じられないくらい甘くておいしかった。
 その日の午前中は、ずっと母さんと病室ですごした。母さんと話したり、宿題の日記を書いたり、それからいっしょにおばさんの手作り弁当を食べたりした。
 高台の窓を開けると、目の前は、夏の空いっぱいの入道雲。山の方から深い緑色の風がふわーっと吹いてくる。
 ふと見下ろすと、療養所から坂道の先に、あの雑貨屋がぽつんと見えた。
 午後、母さんが薬を飲んでうとうとし始めると、ぼくはそっと病室をぬけだし、一本道をかけおりていった。



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