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おばさんの怒りようったらなかった。
「もう、もう、どこへ行ってたのよう!」
と泣きそうな顔でぼくに抱きついたかと思うと、バカ!といって、強烈なげんこつをくらわした。それから、車の中で、「もう二度と山の中に一人で入らない」ことを固く約束させられた。
おばさんには、あの子との約束のことは、とても言えない、とぼくは思った。だけど、行かなくちゃ。
「きっと君の母さん、治るよ」
男の子の声がいつまでも耳の奥で響いていた。
きっと君の母さん、治るよ。
次の日、父さんの言いつけどおり、ぼくはうんと早起きをした。
おじさんとおばさんが、朝の畑でもいだばかりのトマトにかじりつくと、信じられないくらい甘くておいしかった。
その日の午前中は、ずっと母さんと病室ですごした。母さんと話したり、宿題の日記を書いたり、それからいっしょにおばさんの手作り弁当を食べたりした。
高台の窓を開けると、目の前は、夏の空いっぱいの入道雲。山の方から深い緑色の風がふわーっと吹いてくる。
ふと見下ろすと、療養所から坂道の先に、あの雑貨屋がぽつんと見えた。
午後、母さんが薬を飲んでうとうとし始めると、ぼくはそっと病室をぬけだし、一本道をかけおりていった。
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