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みつばちの童話と絵本のコンクール

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第7回受賞作品 第8回受賞作品

受賞者コメント
審査員の講評



昭和女子大学名誉教授 児童文学者
西本 鶏介 先生

この賞も8回目、お話の材料は決められているので書きやすいかもしれま
せんが、同工異曲の作品では困ります。これまでの入賞作を少しでも越える
ユニークで、しかも楽しい作品を望みたいもの。「一度入選したから今年も」
なんて安易な考えは禁物です。面白けりゃなんでもいいというのではなく、
コンクールが求める主旨をしっかりと理解し、子どもが読むのにふさわしい
作品で応募して下さい。それにしても今年の候補作は古くさい説話体の文章が多すぎます。
童話はおとぎ噺ではありません。 総じて今年の作品は低調でした。

大人の部は「みつばち・クエスト」が推理風のストーリーも文章も手なれていて、いちばん面白く読めました。しかし、去年の佳作入選作と同じ主人公の物語で、それほどの新味はありません。議論の結果、努力を買っての
ラッキーな受賞となりました。

「ぼくの小さな庭」は遠い日のなつかしい人と再会する情感豊かな作品です。ただし、回想シーンを描くところがわかりづらく、そこを整理すれば、
もっとよくなったはず。

「桃色の海」は養蜂農家の祖父のところへ一家で越してきた女の子が、村の子どもたちとなじむまでを素直に描いていますが、いささか類型的でもう少しドラマがほしい。

「夢みつばちのキリコ」は花のみつではなく、夢を集めて虹だんごにする
風変わりなみつばちの話。昔の恋人を待ち続けるおばあさんとのかかわりも楽しく、夢の広がる作品。

「友の震災」も町から田舎の村へ転校してくる女の子の話。季節感に
あふれる風景と子どもらしい友情はさわやかですが、震災で母が死んだ
というウソの作文は説得力に乏しい。

子どもの部も今年はパワー不足。上手に書こうとするよりのびのびとした
夢や元気あふれる子どもらしいお話を読みたいもの。

「あゆちゃんへ まさしより」は大好きだがらいじわるをしたくなる気持ちがよくわかリ、はちみつで書いた文字に蟻がたかってはっきりするところは面白いけれど、それだけのお話。

「世界一のロールケーキ」は友だちがパティシエになる夢にケチをつけて
悩むお話で女の子らしい仲なおりがほほえましい。でも、お話は退屈。必要のない会話が多すぎます。

「みつばちとかけっこ」はみつばちに追われたおかげでリレーで早く走れたという楽しさが伝わってくるお話。ラストの6行は必要なし。せっかくのお話が
お説教くさくなります。

「梅雨明けの夏空」は花の色を吸ったみつばちが七色の虹をつくるという
イメージは納得できますが、そのイメージを印象づけるお話にしてほしい。
本の返却はお話と関係なし。

さて絵本ですが毎度のことながら絵はともかく、お話づくりがうまくない
ようです。絵本というのは絵と文による表現であることを忘れてほしく
ありません。絵の上に文を手がきするのではなく、活字を貼りつける
ぐらいのセンスを持ちたいもの。

大人の部の「ひみつ ひみつ」はマンドリルを主人公にした絵本。ストーリーは平凡ですがマンドリルのデフォルメが面白く、シンプルな色づかいと画面の構成力がしっかリしています。恐い顔をかくす設定は気になりますが。

「8月3日のプレゼント」は絵も文も完成度は高いけれどおなじみの絵は
もう卒業したい。

「雨のふる日に」は色づかいが非凡で、太古の動物など印象に残っても
話が複雑すぎる。

「かさのなかにはどんな空」はユニークで楽しい世界だが、毎度の猫中心
から脱出したい。

子どもの部は「にじいろみつばち」が4歳とは思えないすばらしいできばえ
です。蜂の表情が豊かで、あどけなく、色があたたかい。

「ハチのみいちゃんのおきがえ」は色づかいが見事です。ユーモラスな蜂
たちの描き方も個性的で、いかにも子どもらしい発想のお話。

「なないろのはちみつこんぺいとう」は星をふらせてこんぺいとうをつくる
というお話の世界を色鉛筆でのびのびと表現しています。

「はちみつ工場のひみつ」はシンプルで素朴な絵がかわいくて、にんまり
させられます。

「ミツバチ学校」は少しお話が長すぎるけれど、蜂を擬人化した絵が
実にたくみです。





童話作家
角野 栄子 先生

今年は昨年に比べて、読み応えのある作品が多かった。こういう年は選考
するのが楽しい。それでも選者の意見はさまざまで、話し合いには時間が
かかった。それだ け良い作品が集まったということだと思う。

また同時に、誰もが認める、突き抜けた作品がなかったとも言える。「もう
少し何とか…」と誰もが思った。この少しを自分のものにするのは、とらわれない自由な気持ちで、自分にむかって書き続ける事だと思う。

今年は、子どもの絵本作品には素晴らしいものがあった。楽しさがこぼれるほどあふれていた。こういう無心な創作力を、持ち続けたいものだと
つくづく思う。




絵本作家
長野 ヒデ子 先生

今はいろいろなコンクールがあるけれど、コンクールの応募者はどのような
思いで応募するのだろうか。作家を目指している人、賞金が魅力の人、腕試しの人、いろいろあると思う。でも一番大事なのは「このテーマで作品を書き

たい」と、内なる思いが有ると無いでは作品が大違い。

大人の作品には、手馴れて達者な方が多いのに、どこかそれがないようだ。いろいろな切り口で挑戦している熱心さは素晴らしいのに惜しい。ところが
子どもの作品は、どの作品からもミツバチに対する思いがいじらしいほど
伝わってくる。ミツバチになりきっているような、楽しい作品に出会い、子ども
からいろいろなことを教えられる。





小説家/漫画家
折原 みと 先生

記念すべき第8(ハチ)回のコンクール、今回もたくさんの力作が寄せられ
ました。中でも素晴らしかったのが、子どもの部最優秀絵本賞の「にじいろ
みつばち」。迷いのない線といい、ビビットな色づかいといい、ムダのない
テンポのいい文章といい、とても4才のお子さんの作品とは思えない出来。
いや、もしかしたら、小さな子どもだからこそ描けるものなのかしら…?
まさに目からウロコ。邪念を持たない素直な感性が、どんなに素敵なものか
実感しました。

一般の部に関しては、やや教訓的な作品が多かったのが残念。もう少し、
無条件に楽しめる夢のある作品が読みたい気もします。子どもの感性に
負けないように、大人たちもガンバレ!!





法政大学教授/教育評論家
尾木 直樹先生

今回は、ディテールにこだわった作品が多く見受けられました。
しかし、少し難しいのではないかと感じられる作品も目に付きました。絵本
なのに文字ばかりだったリ、ストーリー展開が複雑だったり、やや自己満足
に終わっているような気がします。

読み手である子どもたちがもっと心から楽しめ、夢中になれる作品作りを
心がけて下さい。素直で優しい気持ちになれる作品を期待して止みません。





日本養蜂はちみつ協会理事/元玉川大学教授
酒井 哲夫 先生

日本では、ミツバチというと「刺されるよ。こわいよ」という印象が強くて
かわいそうです。欧米の人々は、紀元前の昔からミツバチが蜂蜜や蜜ろうを我々にもたらし、更に花粉媒介によって多くの植物の種子や果実を稔らせる
ことを先祖代々言い伝えられ、知っていますので、ミツバチをこよなく愛し、
いつくしむ心を持っています。

このコンクールが第8回を迎え、このように多くの方々が応募して下さる
ことを私は、心からうれしく思っています。それは、応募して下さる皆さんが
ミツバチの本来の姿をよく勉強して「ミツバチが我々のために本当に大切な虫で、こわくなく、かわいい虫ですよ」と絵本や童話で書いてもらっている
からです。

1日も早く、日本の人々がみんな、ミツバチを愛し、いつくしむ心の持主に
なってくれるよう祈っています。




【心よりご冥福をお祈り申し上げます】

1999年より始まった本コンクールに、第1回より審査員としてご尽力いただきました、静岡文化芸術大学学長で東京大学名誉教授の木村尚三郎先生が、2006年10月17日ご逝去されました。

木村先生には、本コンクールの審査において、子どもたちのためのよりよい未来を常に真剣に考え、審査にあたってくださいました。また、新聞紙上対談や文化セミナーなどにおいても、弊社の文化活動に深い理解と協力をいただきました。まだまだ、ご指導を賜りたいと思っておりましたが、誠に残念です。

心よりご冥福をお祈り申し上げます。

株式会社 山田養蜂場




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