「かさのなかにはどんなそら」
D
とうみんまえの くまたろうさんは ハチミツいろの おおきな かさを ごちゅうもん
はるに めが さめたとき めのまえが ハチミツいろだったら どんなに いいだろうって いうんだよ
ほんものの ハチミツを どっさり かかえながらね
E
ハチミツといえば ミツバチのむれが みせに とびこんで きたことが あった
「きゅうな あめで こまっています かさを おかりしても いいですか」
そういって ハチたちは ひらいたまま おいてあった できたての かさを ふんわりと もちあげた
おとうさんが うなずくと ハチたちは うれしそうに うたいだした
「はな はな はな はな はなばたけのかさ あめの なかでも いいきもち」
F
それから なんにちかした はれたひに ミツバチたちは かさを かえしに やってきた
そのとき うしろに たっていたのは ミケコさん
「わたくし ハチのすの ちかくに すんで おりますの このかさ はいけんしましたら わたくしも いっぽん ほしく なりまして ハチたちに ついてまいりました」
そういって ミケコさんが えらんだのは タンポポの かさ
G
「ミケコさん?」
「タンポポの かさ?」
こどもたちは いいました
「それ もしかして おかあさんの こと?」
「おとうさん ミツバチの おかげで おかあさんに あえたの?」
「そう けっこんしてから ふたりで はなを たくさん うえたよ ミツバチたちに よろこんで ほしくてね」
H
「ぼく おたんじょうびに おとうさんの かさが ほしいの」
「ぼくも」 「あたしも」
「ふうん どんなのが いいの」
「ぼくは あおーい そらに しろいくも」
「ぼくは まっかな ゆうやけぞら」
「あたしは ことりと きのはっぱ」