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みつばちの童話と絵本のコンクール

「雨のふる日に」

一般の部  佳作
  並村 有華(京都府)

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※写真をクリックすると、大きい画像が表示されます。

Picture01

I

 ノロブンは、皆が おいしそうにお茶をのむのを ぼんやりと見ていました。
(どんな お味なのかなぁ)
 よこから 木が、首をふって言いました。

  「ノロブンは、まだ この茶を のんじゃだめだぞ。ここにいるのは、昔 丘にいたやつら、つまり ぼうれいたちなんじゃよ。こいつらの茶をのむと、おまえは 死んでしまうぞ」

 えっと、ノロブンは 皆の顔を あらためて見ました。

どの顔も、陽気でいきいきとした 表情でした。

ノロブンは、ふしぎそうに 木にききました。

「木のおじいさんは、そんなにのんで 平気なの」

 皆、どっと、ふきだしました。

「平気じゃねえぞ」

と、犬のようなクマが言いました。

「腹のさけめが、茶をのむたびに ふかくなっていく。年がいっていくのさ」

 すぐあとをついで、オオカミが 笑いました。

「しかし このじいさん、茶会が やめられねえんだよ」

 そうなのと、心配顔でふりかえったノロブンに、木は にがわらいをしながら、また ごっくりと お茶をのみました。




J

 「さぁて、そろそろ 雨があがるよ」

 どうくつに落ちる水てきが 切れはじめたのを見て、鼻の長いネズミが 言いました。

おひらきの 合図です。

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皆は、木とあくしゅをして 別れをおしみました。

「なあに、すぐまた 雨がふるさ」

 木は わざと 明るくふるまいながら、大きな大きなトカゲと だきあいました。

木がトカゲとはなれた時、幹には あの生臭いにおいが たっぷりとしみこんでいました。




Picture01

K

 その後もノロブンは、ノロブンとよばれながら くらしました。

けれど 雨の日に遅れて帰ることは 二度とありませんでした。

 雨の日は 暖かいほらで、みんなといっしょに ぐっすりと ねむりました。

 たまに ねがえりをうつと、しわがれた笑い声を 耳にすることがありました。

 そんなとき、ノロブンは、楽しい楽しいゆめの中を ひとりただようのでした。



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