こんな 変なことばかりある木なのに ミツバチたちは、引っ越しをしようとしませんでした。
なぜなら 雨上がりのたびに、まるで つぐないでもするかのように 木は、ふたつの点で 都合のよい家になっていたのです。
まず、ミツバチが 眠りからさめると、ほらが 少しずつ大きくなっています。女王さまは、子供を また一匹育てられると、喜ばれました。
もうひとつは、雨上がりの家には、なんとも生臭いにおいが しみついていることです。
最初ミツバチたちは、このにおいが きらいでした。けれど 間もなく気づいたのです。この においのために、クマや おそろしいスズメバチが やって来ないんだということに。
ある日、大きなクマが この木のにおいをかぎ、こわそうに 走り去って行くのを 見た時、皆かん声を上げたのでした。