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台所のテーブルには、お母さんが用意してくれたおやつが、のっている。仕事で帰りがおそくなるから、毎日、なにか用意してくれているのだ。
「おかえりなさい。今日のおやつは、まさしの大こうぶつの、はちみつたっぷりパンケーキでーす。ゆっくり めしあがれ。」
広告のうらに、大きい字で、手紙も書いてくれる。はちみつのあまいにおいが、ぷーんってしたら、おなかが、ぎゅるぎゅるって、すごい音を立てた。
「やっぱり、おかわりすりゃ、よかったな。あゆちゃんもパンケーキ、すきかなあ。ぼくのことも、すきかなあ。うーん、とにかく、はらがへっては、なにも考えられないや。いただきまーす。」
お母さんの手紙を見ながら、パンケーキを三枚とも食べてしまう。
「ああ、おいしかった。あゆちゃんに、あした、あやまろうかな。でも、はずかしいなあ。どうしよう。そうだ。あゆちゃんに、手紙書いて、あやまったらいいや。」
はちみつのついた指で、『ごめんね』って、お皿に書いてみた。
「そうだ。はちみつで、手紙書こう。あゆちゃん、きっと、びっくりするぞ。」
ノートを一枚、びりびりやぶって、えんぴつで、一番上に『あゆちゃんへ』、一番下に『まさしより』とだけ、書いた。ひとさし指に、はちみつをたっぷりつけて、真ん中に大きく、『ごめん』と書く。しっかりかわいてから、ふうとうに入れる。
「できあがり。あした、これ見て、あゆちゃん、わらってくれるかな。」
次の日、学校が終わって、げた箱の所で、勇気を出して、手紙をさしだした。あゆちゃん、ちょっとにこっ、としてくれる。ほっ。
手紙をもらったあゆちゃん、うれしくて、家に帰って、こっそり見た。
「なに、これ。なんにも書いてない。」
がっかりして、つまらなくて、はらがたって、まどから、ポイってすてちゃった。
「まーくん、ひどいわ。からかうなんて。おやつ食べたら、みいちゃんちに、あそびにいこー。」
あそびに行く時、庭を見たら、さっきの手紙がおちている。なんとなく見たら、黒い。ありがいっぱい。うわっ。よく見たら、なんだか字のようだ。
「えーと、『ご・め・ん』って書いてある。まーくんったら、すごくおもしろい。あそびに行くのやめて、わたしも。」
次の日、まーくんへわたした手紙には、はちみつで、『いいよ』と書いてあった。 |