ようこそ ゲスト
小中大
ごあいさつ
創業の精神・企業理念
事業内容
会社概要
私たちの取組み
みつばち文庫
ミツバチの童話と絵本のコンクール
エコスクール
みつばち教室
文化セミナー
植樹活動
ネパール植樹活動
内モンゴル植樹活動
子どもたちの子どもたちの子どもたちのために。
環境への取り組み
風力発電システム
ソーラーシステム
みつばち牧場

新着情報
採用情報
お問い合わせ
ショッピング
みつばち広場

当サイトはTRUSTeプライバシープログラムのライセンシーです。

みつばちの童話と絵本のコンクール


「友の震災」@

一般の部   佳作
神盛 敬一(兵庫県)

――――――――――――――――――――

 加奈は五年生になった。

 日本海に近い山間の小学校は、五年生になってもクラスは四年生のときのままだ。

 今年も町田さんの畑に、黄色い菜の花がいっぱい咲いていた。ずっと前にお母さんから聞いた話によると、神戸に住んでいるおじいさんの孫が、「黄色い花が好き」と言ったそうだ。それからのおじいさんは、菜の花を毎年咲かせ続けている。菜の花畑は町田さんの家の前にあって、加奈の家からも小さく見えていた。

 加奈が一年生のころ、県道に行く道できれいな女の人とすれ違ったことがある。女の人は、加奈と同じくらいの女の子と手をつないで、町田さんの家の方に行った。加奈は女の子の後ろ姿を見ながら、「黄色い花が好き」と言った子かも知れないと思った。

 毎年お正月に、お墓参りに来ているとお母さんが言ったのを覚えている。いつもすぐに帰ってしまうというから、おじいさんがせっかく咲かせた菜の花を、女の子はまだ見ていない気がする。加奈は春になると、いつもそのことが気になった。

 菜の花が終わると、夏の野菜が植えられていた。

 夏休みが終わって、二学期がはじまった日だった。神戸から女の子が転校してきて、クラスが二十人になった。

「町田麻衣です」

 あいさつで礼をしたとき、束ねた長い髪が肩から転がるようにして胸でとまった。加奈は、黄色い花が好きだという女の子だとすぐにわかった。

「神戸の子は違うなあ」

 麻衣ちゃんはオシャレで、とってもかわいいと、女の子たちがヒソヒソと言うのが聞こえた。

 休み時間に、いつも教室の中で走り回る男の子たちが静かにしている。女の子たちは、麻衣ちゃんを囲んで話し掛けていた。加奈が割り込んで話すチャンスがなく、麻衣ちゃんと目が合ったとき、小さく胸のあたりで手をふってみた。麻衣ちゃんは少し笑って、手の指を動かしただけのあいさつをしてくれた。

 その日の学校は昼までで終わった。

「いっしょに帰ろう」

 加奈は麻衣ちゃんをさそった。

「仲よくしてあげてね」

 帰る用意をしているとき、先生が言った。

 加奈は道草が好きだ。バッタやカエルを見つけると、女の子なのにつかまえるまで追いかけたりする。麻衣ちゃんは、最初の友だちがこれではかなわないという顔をして、じっと待っていてくれた。

 でも麻衣ちゃんは、加奈のすることがきらいではなかったらしい。バッタやカエルはきらいと言って触ったりしなかったけど、道草をするのは大好きだと言った。

 何日かすると、色白だった麻衣ちゃんも日に焼けて、加奈と変わらなくなった。


――――――――――――――――――――

    → 次のページへ
トップへ

フリーダイヤルでもご注文・お問い合せを承ります。詳しくはこちらをクリック
TRUST-e 山田養蜂場WebサイトはTRUSTeのライセンシーです。
山田養蜂場Webサイトでは個人情報保護のため、SSL暗号化通信を採用しております。
JADMA 山田養蜂場は、(社)日本通信販売協会の会員です。
株式会社山田養蜂場(岡山県鏡野町) Copyright(C)2008 Yamada Bee Farm All Rights Reserved.