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みつばちの童話と絵本のコンクール


「ミツバチのゆう便」 子どもの部 優秀童話賞 見瀬 采芽(兵庫県)



 そのころ、女の子は、ずっとあのテープを聞いていました。
「私のために……?」
 女の子は、すこし、学校へ行きたくなりました。
 ちょうど、その時でした。ミツバチが、手紙を運んできました。
「きゃぁ。ミツバチ!」
 女の子がさけびました。なので、ミツバチは、びっくりして、手紙をおとしていってしまいました。
「あれ?いつもの手紙。」
 女の子は、手紙をひろいあげました。今日のは、小包のような物でした。中には、ハチミツがはいっていました。手紙は、いままでのより、一番みじかい文でした。
「今のきみなら、学校へ行けるよ。じしんをもって、行ってごらん。」
 女の子は、何度も手紙をよみなおしました。
「今の私なら……、自信をもって……。」
 女の子は、手紙をつくえの中にしまいました。そして、ランドセルを、ひっぱり出してきました。
「えっとぉ。」
女の子は、ランドセルに、教科書やノートを入れました。えんぴつも、けずって、ふでばこにいれて、ランドセルに入れました。その時、「ピーンポーン」となりました。
「あやー。でてー。」
「はぁーい。」
あやは、しょうがないというふうに、げんかんへ行きました。
「どなた?」
「いえーい イ エ ー イ 。」
「あやちゃん、大じょうぶ?」
「やっほー。」
と、学校の、クラスのみんなが心配してきてくれたのでした。
「み、みんな。」
と、あやは言いました。うれしくて、泣いてしまいそうでした。
「心配してたんだよ。」
と、まえまでの友達、ゆりちゃんが言いました。
「きゅうに、学校にこなくなるんだもん。どうしたの。」
「うん……。」
あやは、とまどいました。みんなに、私はきらわれていると、ずっと思っていたからです。
「えっと……。うん、あのね……。」
あやが、言葉につまっていると、
「いいよ。あしたは、学校に、きてくれるでしょ。」
と、クラスのみんながいいました。
「うん!」
あやは、元気にこたえました。
「やったぁー。じゃ、あしたはパーティしよ!」
と、今度は、ゆりちゃんが言いました。
「うん!」
と、あやは、いっそう元気に答えました。
「明日、むかえにくるね。いっしょに学校いこ。」
と、ゆりちゃんは、言いました。
「バイバーイ。またあした!」
クラスのみんなは、言いました。
「バイバーイ。」
あやも言いました。そして、戸をしめて、お母さんの所へ、スキップして行きました。それから、こう言いました。
「お母さん。明日から、学校行くから、ちゃんとおこしてね。」
それを聞いて、お母さんは、うれしくて、
「もちろん!」
と、ニコニコのえがおで言いました。
 その夜、あやは明日が楽しみで、ねむれないくらいでした。でも、
「明日は学校だから、はやくねなさい。」
と、言われたので、なるべく早くねるぞ、とがんばりました。
 学校へ行く日の朝、ウキウキしすぎて、おもわず、朝7時のはずが、6時におきてしまいました。
「おはよっ。」
お母さんと、お父さんのねているしんしつにあやは、とびこんできました。
「ん〜っ。まだ6時じゃないの。」
とお母さんは、言いました。
「6時だって!」
と、おもわずお父さんは、さけびました。
「会社におくれる!」
「ええっ。」
と、お母さんも、お父さんも大パニックでした。
「それより朝ごはんつくって。」
と、ちょっとおこった声であやは、言いました。
「はいはい。分かりました。」
なんとかおちついたようすで、お母さんは、言いました。あやは、リビングへと、かけていきました。
 しばらくして、ほんのりとあま〜いかおりが、ただよってきました。
「今日は、アップルパイよ。」
と、お母さんは、焼きたてのアップルパイを、テーブルに、おきました。
「わー。おいしそー。」
と、あやは言いました。
「いただきますっ。バクバク。」
と、お父さんは、いそいで食べはじめました。
「ごちそうさん。」
お父さんは、そういったとたん、げんかんの戸をあけて、いちもくさんに、かけだしました。
「いっただきま〜す。」
あやは、の〜んびり食べました。
「今日ね、ゆりちゃんが、ムシャ、むかえにきてくれて、ムシャ、いっしょに学校いくんだ、ゴク。」
あやは、食べたりしゃべったりで、いそがしくなったのでした。
「しゃべるか、食べるか、どっちかにしなさいっ。」
と、お母さんに、しかられたので、あやは、アップルパイを食べてから、しゃべることにしました。
 30分ご、あやは、アップルパイを、一人で、ほとんどたいらげました。
「ふー。ごちそうさまー。」
あやは、おなかいっぱいで、ねむくなりましたが、学校にちこくしないために、かおをあらいました。あやは、学校のじゅんびもできてるし、やることは、やったので、こっちから、ゆりちゃんの家へ行くことにしました。
「ピーンポーン」
と、インターホンをならすと、すぐにゆりちゃんがでてきました。
「あっ。ゆりちゃん。学校いこ。」
「うん。いまじゅんびできたとこなの。」
と、ゆりちゃんはいいました。
「ちょっとまってて。」
とまた、ゆりちゃんは、いいました。
「おまたせ。」
しゅんかんいどうでもしたかのように、ランドセルをしょったゆりちゃんが、あらわれました。
「行こ。」
とゆりちゃんと、あやは、どうじに言いました。
 学校へ行く道には、花畑がひろがり、ミツバチたちが、いそがしそうに、花のみつを、集めていました。




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