| 「ふあ……」
コトコは、そっとあくびをかみころした。目のはしっこに、ぷくりとなみだがたまる。
窓の外は、いやになるほどの上天気だ。
今は五時間目、国語の授業中。ねむくてだるくて、ちっとも頭がはたらかない。
こんなことなら、ママにつきあって夜中までテレビを見るんじゃなかったなあ。
気をぬくとまぶたが落っこちてきそうな目で、コトコは教科書をながめた。
開いたページには、下半分をうめつくして、野原のさし絵が描かれていた。緑の山々にかこまれた谷間に、色とりどりのビーズをまきちらしたような花のじゅうたん。ところどころにまう、白いちょうちょ。
何てきれいな場所だろう。コトコはうっとりと、半ばゆめみごこちで野原を見つめた。
いいなあ。こんなところにねっころがってひるねしたら、どんなに気持ちいいだろう。
「和田さん、和田コトコさん」
名前をよばれて、コトコははっとした。
しまった! 授業中だったっけ。
先生はきびしい声で言った。
「和田さん。ぼーっとせずに、まじめに授業を聞くようにね」
「はい……」
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