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「あれれっ、ミツバチがいる!!」
ビィはびくっとしました。女の子に見つかってしまったのです。
「そうだ、ぼく、こっそり入ってきてたんだった!!ごめんなさ〜い!!」
ビィはにげようと、どこかあいている窓はないか急いで探しました。
「ねぇ、待って。」
お母さんがビィを手招きしています。ビィは、テーブルの方へ飛んでいきました。
お母さんが、ビィを見ながら女の子に言います。
「あのね、さっき、『ハチミツってすごいね!!』って言ったよね。そんな、すごいハチミツを集めてくれるのは、こんな小さなミツバチなのよ。ミツバチのおかげで、こんなにおいしいホットケーキが食べられるんだよ。」
ビィは、なんだかてれくさくなって下を向きました。
ビィをしばらく見つめて、女の子が言いました。
「ありがとう!」
「えっ!?」
ビィは、女の子を見つめ返しました。女の子はにこにこしています。ビィの顔がかがやきました。ハチミツを、「おいしい」「まほうみたい」と言ってくれた上、お礼まで言われたのです。
「さっ、そろそろ外に出してあげようね。」
お母さんが窓をあけてくれました。ビィは、女の子とお母さんに何度も何度も頭を下げながら帰っていきました。帰る途中に、花畑に寄っていきました。今日の分のハチミツ集めです。はりきって、いつもよりたくさん集めました。ビィは、幸せな気持ちでいっぱいでした。
「おそかったじゃない。そんなに笑顔で、いったいどうしたの?」
ともだちのミツバチたちが、ビィのまわりに集まってきました。
「えへへ。じつはね…」
ビィは、今日あったことを話しました。ハチミツを「まほうみたい」と言ってくれたこと、お礼を言われたことを話すと、みんなの目が輝きました。
「ぼくもいってみたい!!」
そんなミツバチがたくさんいました。ビィはみんなに、「花びらを一枚入れておいて、あとは町の小さな八百屋さんめざして飛んでいけばいいんだよ。」と教えてあげました。
おじさんがハチミツを集めにきました。ミツバチたちは、ピンクやらオレンジやら小さな花びらを一枚ずつ、こっそり入れていきます。そして、次の日にはみんなでいっせいに町へ飛んでいくのです。ピンクの花びらの入ったハチミツは一人暮らしのおばあさんの家へ、オレンジの花びらの入ったハチミツは動物園へ、それぞれいろいろなところへいきました。夕方になると、みんな笑顔で帰ってきます。
「私のハチミツ、おばあさんがハチミツミルクにして飲んでくれたの。『あったまるな…』『おいしいな…』って!!」
「ぼくは動物園にいってたんだ。くまさんが食べてたんだけど、『毎日毎日人がたくさんきてつかれちゃうよ。でも、ハチミツを食べたら元気がでるんだ!』って!!くまさんとともだちになっちゃった。」
みんな口々に話します。とってもうれしそうです。
そんな様子を、養蜂場のおじさんは見ていました。最初は、花びらが入っているのは風のせいかな?と思っていましたが、ビィたちのことを知ってそのままにしていたのです。
もう一人、ビィたちをやさしいまなざしで見ている人がいました。町の小さな八百屋のおばさんです。おばさんも、ハチミツに花びらが入っている理由、それを追ってミツバチが毎日来ていることを知っていました。今日養蜂場からもらってきたハチミツにも、ほら、小さな花びらがたくさん入っています。
お客さんがやってきました。
「んっ?『幸せのハチミツ』?…花びらが入ってるのか。いいなぁ…」
手にとってしばらくながめたあと、それを買って帰っていきました。一匹のミツバチがあとからついていきます。
『幸せのハチミツ』。これは、この八百屋のおばさんがつけてくれたものでした。今までは『ハチミツ』だったラベルを、ビィたちが来るようになって『幸せのハチミツ』に変えたのです。
「し・あ・わ・せ下さいな!!」
今日も八百屋へ来る人は、ビィたちの「幸せのハチミツ」を買っていきます…。
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