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ミツバチの童話と絵本のコンクール

雨のふる日に

受賞並村 有華 様(京都府)

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『 雨のふる日に』

 ある森のむこうに、小さな丘が ありました。 
その丘には一本の古い大木があり、根もとの ほらにミツバチの一族が、もう長いこと住んでいました。
 ほらは、いつも暖かく 住みやすかったのですが、この木には、ひとつだけ大きな欠点が ありました。
それは、雨の日に 姿が消えてしまうことです。
 雨が降りだすと、まるで 絵の具が消えていくように、木がなくなってしまうのです。
 だから、空もようが あやしくなると、ミツバチたちは あわてて巣に帰って来ます。
そうじゃないと 大雨を草むらで過ごさねばならず、はだ寒い日に体をぬらすと 病気になりかねませんからね。
 何としても 雨がふるまでに、暖かなほらに すべりこまなけりゃなりません。

 雨の日に ほらに帰ってきた ミツバチたちは、木が消えている間、どうしているのでしょう。
木と一緒に、どこかへ 行っているのでしょうか。
 残念ながら ミツバチ自身、何も知りません。
なんでも 雨が降って、まわりが ぼんやりと もやにつつまれてくると、急に ねむけにおそわれるらしいのです。
 時々、ゆめのなかで 笑い声や歌声を 聞いたような気がすると、言うものもいます。
しかし、さだかではありません。
どんな笑い声だったかと たずねても、しわがれた声で 何者の声だか けんとうもつかないと、言うのです。

 以前、巣に帰って来たとたん、木が消え始めるのに ゆきあわせた子がいました。
その子は 木と どこかに行っていたようなのです。
 この時ばかりは 女王さまが、じきじきに どこへ行ったのかと、おたずねになったらしいのですよ。
けれども その子は こわいものを見たと言うばかりで、それ以上答えようとは しなかったのですって。
 この話は、ハチからハチへと伝わり、いっそう 雨が降るまでにかけもどるようになっていったのです。

 そんな あわただしい生活って、不便だと思いませんか。
そのうえ 雨が上がって 木がもどって来ると、はちみつが 少しですけど へっているんですって。
誰かが 盗んでいったに 違いありません。
 こんな 変なことばかりある木なのに ミツバチたちは、引っ越しをしようとしませんでした。
なぜなら 雨上がりのたびに、まるで つぐないでもするかのように 木は、ふたつの点で 都合のよい家になっていたのです。
 まず、ミツバチが 眠りからさめると、ほらが 少しずつ大きくなっています。
女王さまは、子供を また一匹育てられると、喜ばれました。

 もうひとつは、雨上がりの家には、なんとも生臭いにおいが しみついていることです。
最初ミツバチたちは、このにおいが きらいでした。
けれど 間もなく気づいたのです。
この においのために、クマや おそろしいスズメバチが やって来ないんだということに。
 ある日、大きなクマが この木のにおいをかぎ、こわそうに 走り去って行くのを 見た時、皆かん声を上げたのでした。

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