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ミツバチの童話と絵本のコンクール

ミツバチのゆう便

受賞見瀬 采芽 様(兵庫県)

 ある所に、ミツバチの町がありました。その町には、人間の子どもを元気づけるという、かわったゆう便局がありました。その名前は、「ミツバチゆう便局」と言いました。
 ミツバチゆう便局では、元気のない子どもに手紙をかいてそれを、その子のまくらの下に入れる、そんな事をやっています。もちろんふつうのゆう便局の仕事もしています。
 ある日、かぜをひいて、元気をなくしてしまった子があらわれたというけいほうがなりました。
「たいへんだ〜!かぜをひいたこが、このまま学校へ行きたくないと言ったそうだ!」
「なんだって」
「いそいで手紙をかくんだ!」
 ミツバチたちは、いそいで手紙をかきました。そして、いそいでまくらの下へいれました。
 そのかぜをひいた子は、ぐうぜんごはんをたべて、おくすりをのんでいました。
「ママ。わたしぜったいに、学校へなんかいかないから!」
 そういって、女の子は自分の部屋のドアをばたんっとしめて、ベットにねころびました。
「学校なんていか……。」
 女の子は、まくらの下にある手紙にきづきました。
「なになに。かぜをひいてしまった女の子へ……?」
 お手紙には、こうかいてありました。
「かぜをひいてしまった女の子へ。学校は、楽しいよ。お友達がたくさんいて、お勉強をいっしょにする。なんてすばらしいんだろうね。 ぼくたちミツバチは、人間の学校が、うらやましいよ。ミツバチゆう便。」
 女の子は、全部よみおわると、言いました。
「わたしには友達がいない。なのにこんな手紙かくなんて……。」
 女の子は、そう言ったきり、ベットにもぐりこみ、そこから出ませんでした。
 ミツバチの手紙で、おちこませては大変です。ゆう便局のミツバチたちは、いそいで手紙をかきました。
「いそげ!女の子の元気をとりもどせ!」
 ミツバチゆう便局の、ミツバチたちは、手紙を一生けん命かいて、これならきっと、という手紙を目ざしました。
 そして、一日がすぎました。ミツバチたちは、やっとのことで、手紙をかきあげたのでした。
「いそげ。はやく、あの女の子のところへ、手紙をとどけるんだ。」
 と、一ぴきのミツバチは言いました。でも、ほかのミツバチたちは、とてもつかれていたので、だれも手紙をとどけることはできませんでした。
 夜が明けました。やっと元気になった、一匹のミツバチが、女の子のところへ手紙をとどけに行きました。けれども、まどにはかぎがかかっていて、中に入ることができませんでした。まよっていると、お母さんがきて、まどをあけてくれました。そのすきに、ミツバチは、女の子のベットに、手紙を置きました。
 女の子は、目をさまして一番に、ミツバチの手紙を見つけました。でも、女の子は手紙を見たしゅんかん、こう言いました。
「またこの手紙。わたしは、かぜはなおったけど、学校なんて、いかないんだから!」
 女の子は、手紙をすてようと、ふうとうを、つかみました。
「あれ?このしかくい物は?」
 と、女の子は言いました。ふうとうの中に、しかくい箱が入っていました。女の子は、手紙はよまずに、箱をあけました。箱の中には、テープレコーダーが入っていました。女の子は、さっそく聞いてみました。
「どんなのがはいってるのかな?」
 女の子は、わくわくしました。
「みっちゃん、早く学校にこないかな。」
「きっと明日くるよ。」
「そうだね。」
「そうだ。元気になるように、手紙をかかない?」
「そうしよう!」
 と、いうところで、テープは終わりました。女の子は、聞き終わると、おこった声でいいました。
「まさか、今までの手紙って、お母さんがたのんで、学校のみんなに書かせてたわけ?」
 女の子は、まどのかぎと、へやのかぎをかけて、手紙をかきはじめました。
「お母さんに、この手紙をわたして、手紙がこないようにしよう。」
 ところが、女の子は、手紙をかくのが、とてもきらいで、わけのわからない手紙になってしまいました。
「もーいや!」
 女の子は、こんどは自分の手紙にはらをたててしまいました。そして、またベットにもぐりこんでしまいました。
「学校なんて……大きらい……。」
 女の子は、小さな声でいいました。
 そのころ、ゆう便局のミツバチたちは、ねていました。なので、ゆう便局はお休みでした。でも、その時ビー、という音がなったので、ミツバチたちは、いっせいにおき上がりました。そして、あっちへ行ったり、こっちへ行ったりとあわてて、ビー、という音にはきづきませんでした。 しばらくして、さわぎがおさまりました。そして、やっとビーという音に気づきました。
「な……なにがあったんだ?」
「はやくしらべるんだ。」
「はいっ。」
 ミツバチたちは、おちつこうと、お茶をのみました。
「あっ。女の子が、あす学校へ行こうかな、と言ったそうだ。」
「ちがうだろ。お母さんが、言わせたんだ。」
 お茶をのんでないミツバチがあわてていいました。
「ちがうよ。やっぱり学校なんてきらいと言ったんだよ。」
 おちついているミツバチは、いいました。
「また、お手紙出さなきゃ。」
 ミツバチは、また、一生けん命、手紙をかきました。今度は、けっこうはやく、書きおわりました。

 そのころ、女の子は、ずっとあのテープを聞いていました。
「私のために……?」
 女の子は、すこし、学校へ行きたくなりました。
 ちょうど、その時でした。ミツバチが、手紙を運んできました。
「きゃぁ。ミツバチ!」
 女の子がさけびました。なので、ミツバチは、びっくりして、手紙をおとしていってしまいました。
「あれ?いつもの手紙。」
 女の子は、手紙をひろいあげました。今日のは、小包のような物でした。中には、ハチミツがはいっていました。手紙は、いままでのより、一番みじかい文でした。
「今のきみなら、学校へ行けるよ。じしんをもって、行ってごらん。」
 女の子は、何度も手紙をよみなおしました。
「今の私なら……、自信をもって……。」
 女の子は、手紙をつくえの中にしまいました。そして、ランドセルを、ひっぱり出してきました。
「えっとぉ。」
女の子は、ランドセルに、教科書やノートを入れました。えんぴつも、けずって、ふでばこにいれて、ランドセルに入れました。その時、「ピーンポーン」となりました。
「あやー。でてー。」
「はぁーい。」
あやは、しょうがないというふうに、げんかんへ行きました。
「どなた?」
「いえーい イ エ ー イ 。」
「あやちゃん、大じょうぶ?」
「やっほー。」
と、学校の、クラスのみんなが心配してきてくれたのでした。
「み、みんな。」
と、あやは言いました。うれしくて、泣いてしまいそうでした。
「心配してたんだよ。」
と、まえまでの友達、ゆりちゃんが言いました。
「きゅうに、学校にこなくなるんだもん。どうしたの。」
「うん……。」
あやは、とまどいました。みんなに、私はきらわれていると、ずっと思っていたからです。
「えっと……。うん、あのね……。」
あやが、言葉につまっていると、
「いいよ。あしたは、学校に、きてくれるでしょ。」
と、クラスのみんながいいました。
「うん!」
あやは、元気にこたえました。
「やったぁー。じゃ、あしたはパーティしよ!」
と、今度は、ゆりちゃんが言いました。
「うん!」
と、あやは、いっそう元気に答えました。
「明日、むかえにくるね。いっしょに学校いこ。」
と、ゆりちゃんは、言いました。
「バイバーイ。またあした!」
クラスのみんなは、言いました。
「バイバーイ。」
あやも言いました。そして、戸をしめて、お母さんの所へ、スキップして行きました。それから、こう言いました。
「お母さん。明日から、学校行くから、ちゃんとおこしてね。」
それを聞いて、お母さんは、うれしくて、
「もちろん!」
と、ニコニコのえがおで言いました。
 その夜、あやは明日が楽しみで、ねむれないくらいでした。でも、
「明日は学校だから、はやくねなさい。」
と、言われたので、なるべく早くねるぞ、とがんばりました。
 学校へ行く日の朝、ウキウキしすぎて、おもわず、朝7時のはずが、6時におきてしまいました。
「おはよっ。」
お母さんと、お父さんのねているしんしつにあやは、とびこんできました。
「ん〜っ。まだ6時じゃないの。」
とお母さんは、言いました。
「6時だって!」
と、おもわずお父さんは、さけびました。
「会社におくれる!」
「ええっ。」
と、お母さんも、お父さんも大パニックでした。
「それより朝ごはんつくって。」
と、ちょっとおこった声であやは、言いました。
「はいはい。分かりました。」
なんとかおちついたようすで、お母さんは、言いました。あやは、リビングへと、かけていきました。
 しばらくして、ほんのりとあま〜いかおりが、ただよってきました。
「今日は、アップルパイよ。」
と、お母さんは、焼きたてのアップルパイを、テーブルに、おきました。
「わー。おいしそー。」
と、あやは言いました。
「いただきますっ。バクバク。」
と、お父さんは、いそいで食べはじめました。
「ごちそうさん。」
お父さんは、そういったとたん、げんかんの戸をあけて、いちもくさんに、かけだしました。
「いっただきま〜す。」
あやは、の〜んびり食べました。
「今日ね、ゆりちゃんが、ムシャ、むかえにきてくれて、ムシャ、いっしょに学校いくんだ、ゴク。」
あやは、食べたりしゃべったりで、いそがしくなったのでした。
「しゃべるか、食べるか、どっちかにしなさいっ。」
と、お母さんに、しかられたので、あやは、アップルパイを食べてから、しゃべることにしました。
 30分ご、あやは、アップルパイを、一人で、ほとんどたいらげました。
「ふー。ごちそうさまー。」
あやは、おなかいっぱいで、ねむくなりましたが、学校にちこくしないために、かおをあらいました。あやは、学校のじゅんびもできてるし、やることは、やったので、こっちから、ゆりちゃんの家へ行くことにしました。
「ピーンポーン」
と、インターホンをならすと、すぐにゆりちゃんがでてきました。
「あっ。ゆりちゃん。学校いこ。」
「うん。いまじゅんびできたとこなの。」
と、ゆりちゃんはいいました。
「ちょっとまってて。」
とまた、ゆりちゃんは、いいました。
「おまたせ。」
しゅんかんいどうでもしたかのように、ランドセルをしょったゆりちゃんが、あらわれました。
「行こ。」
とゆりちゃんと、あやは、どうじに言いました。
 学校へ行く道には、花畑がひろがり、ミツバチたちが、いそがしそうに、花のみつを、集めていました。

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